白ゆき姫殺人事件

頭の中での創作も、誰かに語った瞬間に、真実にすり替わっているんだからな

「わたし、このあいだの飲み会のあと、いきなり誰々に、ごめん俺、彼女いるんだ、って言われちゃって。はあ、何ですか?わたしがいつあなたのことを好きって言いました?って気分」
「うわ、自意識過剰。あの人ってそういうところあるよね。たいしてかっこよくないのに勘違いしてるから、ちょっとこっちが親切にしてあげたら、気があるってすぐに思い込んじゃうのよ。気持ち悪い」
「目が合っただけで、その気になってたりして。ギャハハハハ……」
 こういう会話聞くと、明日は我が身って思うだろ。俺はその誰々と親しかったから、あとでさぐりを入れてみたんだが、給湯室にいた女から毎晩おやすみメールが届くようになったから、意を決して言ったんだって言われたぞ。
 あんたも、うちの会社の女子社員から今回の事件のことを聞いているだろうが、あいつらの言うことを鵜吞みにしない方がいい。頭の中での創作も、誰かに語った瞬間に、真実にすり替わっているんだからな。

湊かなえ.白ゆき姫殺人事件(集英社文庫)

ねこです。

ねこは わりと ジャンプして いろいろなところを とびうつることが おおいのですが
おねいさんが じょうだんで いった「ねこは そらを とぶれんしゅうを しているんだって」
って はなしから いつのまにか「ねこは そらを とべるらしい」まで
はなしが おおきくなっているみたいなこと よくあります。

そんななか「ねこちゃん そら とべるんだって?」と おねいさんの ともだちに いわれたときは
どんなかおすれば よいのでしょう。
ここはひとつ 「とべますとも!」と そらを とんでるかんを だしたほうがよいのか
それとも「いえいえ そんな」と さがったほうがよいのか
じっさいには とべない ねこには よくわかりませぬ。

でも もしかしたら ほんとうに そらを とべるように なってるかも
なんて ちょっと おもってみて だれも みていないところで とんでみますが
やっぱり とべません。
モモンガが とぶすがたをみると ねこでも いけそうなかんじがするんですけどね。

しんじれば いつか かなうともいいますが
べつに ねこは そらを とびたいわけではないので
いったん いまのままで よいです。

猫を処方いたします。2

誰かに言うてほしいことは、自分で言うのが一番早いです

 お兄ちゃん。
 そう言いかけて、かろうじて喉を塞ぐ。驚愕のあまり頰がひきつった。
 似ているなんてものじゃない。目の前の男性は兄の友弥に瓜二つだ。
 これでは翔祐が間違うのも無理はない。輪郭、顔立ち、肌の質感や色、おまけに声までそっくりだ。
 だが、違う。表情は兄のそれとは違う。友弥はこんなふうにヘラヘラ笑わないし、喋り方もなんだか年寄り臭い。ついさっき家で会ったばかりなので、余計に違いがはっきりわかる。確実に別人だ。
 それでもあまりにそっくりなので気味が悪い。腰の引けた玲央奈に、医者が言う。
「あれ?どうしはりましたか。なんか頰っぺたがプクプクしてはりますけど」
「ピクピクしてるんです」と、咄嗟に言い返す。友弥と同じ顔で軽口を叩かれることに苛つく。
 「あはは。そうですか。国枝さんのほうは、どうでした?誰かが、もうやめたらええって言うてくれはりましたか?」
「はい」翔祐は頷いた。「自分で言いました」
「そうですか。そらよかった。誰かに言うてほしいことは、自分で言うのが一番早いです。的確ですしね。まあ、それが言えへん時には猫の手を借りてください。猫パンチして喝入れてくれますんで。お大事に。さて」

石田祥.猫を処方いたします。2(PHP文芸文庫)

ねこです。

そのむかし LINDBERGってバンドの きみのいちばんに…ってうたのなかで
「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ じぶんに いいきかせながら」って かしがあって
おねいさんは なにかあるごとに きいていました。
ほんとうは だれかに いってもらえたら よいのだけど
いってくれるひとが いないときは うたを きくことで なんとかなるものです。

ちなみに おねいさんの スマホの MUSICアプリには 「うえ」という プレイリストがあって
きぶんが あげあげになる きょくを いれています。
げんきが ないとき きぶん あげたいときに このプレイリストを きくというわけです。
それでも きぶんが あがらないときは やっぱり ねこパンチです。
ねこパンチに まさるものなし。
きもち 3%じょうしょうします。
ちいさいけれど だいじなところ。

これからも おねいさんのために ねこパンチ みがいておきます。

スワン

ここにはなんでもあるけれど、ほんとうにほしいものはない──

 日本最大級のショッピングモールには県外からくる人たちも多いと聞くが、やはり大多数は周辺に暮らす地元民だ。前を向いたまま波多野が尋ねてくる。
「片岡さんもスワンっ子なの?」
「……わたしは、『ららぽーと』のほうが近いから」
 三郷からひと駅のところにある、こちらも巨大なショッピングモールだ。スワンともたった三駅しか離れていない。
「そんな近くにふたつもつくらなくていいのにね。贅沢というよりわびしい気がしちゃうよ」
 中学時代、地元の友だちとつるむときは『ららぽーと』、ちょっとおめかししたいときは『スワン』と使いわけていた。地元の友だちと距離を置き、高校に進学し、どちらからも足が遠のいた。四月のあの日も、ひさしぶりの訪問だった。
 ここにはなんでもあるけれど、ほんとうにほしいものはない──。

呉勝浩.スワン(角川文庫)

ねこです。
さいきんの ショッピングモールは どこも にたような おみせばかりで
あたらしく オープンしても いこうかなとは ならない げんじつ。
データぶんせきが いくところまで いきついてしまった けっかなのかも。

かわさきでは ラゾーナという ショッピングモールが にぎわっていて
ラゾーナの ポイントカードは じっしつ かわさきしみんの しみんしょうと いわれるほど
ほゆうりつが たかいことで ゆうめいです。
そんな ラゾーナ1きょうの えいきょうで ひがしぐちの マルイや さいかやが へいてんしてしまい
ずいぶん さみしいかんじに なってしまいました。
それでも

カワスイのある ルフロン
イタリア・トスカーナな ふんいきの ラ・チッタデッラ
ギネスにも のっている プチカレーターのある モアーズ

といったぐあいに ひがしぐちにも とくちょうてきな ビルが せいぞろい。

とくに おねいさんは ルフこと ルフゴンっていう ルフロンの キャラクタが すきです 。
べんりさは ラゾーナに ぐんばいが あがりますが、
ルフこと ルフゴンと カワスイのある ルフロンも よろしくおねがいします。