月別アーカイブ: 2009年10月

バスジャック

だからワシも、『野崎のおっちゃん』に飽きるわけにゃいかねえんだよな

「野崎さんは、動物園に勤めてどれくらいになるんですか?」
「ワシかい?ワシはこの動物園ができた時から働いてるよ」
「じゃあ、もう三十年も、ずっと?」
「そうだなあ、もうそんなになるかなあ」
 野崎さんは、お湯割りのおかわりをつくってもらいながら、特段の思い入れもなさげに応える。
「三十年って、長かったですか?」
「いやあ、三十年が五十年でも変わんねえよ。なぁんもね」
「そんなもの、かなぁ」
「ああ、インドゾウの『るうしぃ』なんざ、ワシと一緒に動物園に来たけど『もうゾウも飽きちまった』なんて言い出さないしなぁ」
 しごく真面目な顔で野崎さんが言うので、思わず噴き出してしまう。
「だからワシも、『野崎のおっちゃん』に飽きるわけにゃいかねえんだよな」
「そうかぁ。うん、そうですよね。自分に飽きるわけにはいかないか。そうだなぁ」
「ユズキさんはあれかい?ユズキさんに飽きちゃったんじゃねえのかい?」

三崎亜記.バスジャック(集英社文庫)

ねこです。

ひと は とし を とると どんどん じかん が はやく かんじるそうです。
5ねん が 10ねん に なり 20ねんまえ を しる としになると じぶん の つみかさねたものに びっくり してしまいます。
じぶん が うまれる 20ねんまえなんて そうぞう も つかないくらい かこ の ことで
れきし の いちぶでしか にんしき してないのに
いまや ことし うまれた こ の 20ねんまえ を かたることが できるのです。
10ねんまえ と いま は なんとなく つながっている きがするのに 20ねんまえ と いま は
すごく かけはなれて とおい きがするのは なぜでしょうね。

そんなこと を おもいながらも じぶん に あきるわけには いかないので
20ねん たとうが 30ねん たとうが じぶん は じぶん です。
ねこ も ねこ であることに ふまん は ありません が ちょっとだけ ライオン に あこがれます。
チカすぎちゃって どうしようって こまったり カワイくって どうしようって こまったり してみたいです。

あおい

喫茶店でたまに、『コーヒ』ととめてるところがあるんだけど、あれはご主人の責任感を感じる。

「好きな言葉はないですか?」
 カザマ、と言おうと思ったけど、やめた。
「パンジーとか。かわいいでしょう?」
 もちろん適当な返事だけど、森さんは優しい。
「パンジーか。いいね。こう、最後を音引きで終わらす単語は、何か、無責任な感じがしていいですね。」
「無責任?」
「うん。何かこちらに、委ねてる感じがする。パンジー。デイジー。ポピー。」
「コーヒーも?」
「コーヒーもね、そうですね。喫茶店でたまに、『コーヒ』ととめてるところがあるんだけど、あれはご主人の責任感を感じる。」
 カザマ君が、バタのことをバターと呼ばなかったのも、そうなのかな。ビールを飲みながら、そんなことを考えた。今日はおかしい。カザマ君のことばかり思い出している。

西加奈子.あおい(小学館文庫)

ねこです。

イノダコーヒ も「コーヒ」です。
こだわり です。

そういえば「コンピュータ」ようご は JISきかくというのに じゅんじて 3おん いじょう は のばさない ほうこうせい みたいです。
「メモリ」「スキャナ」「プリンタ」
ならべて みる と かっこいい です。

でも「タイマー」は だめ です。
「キッチンタイマ」「めざましタイマ」「パートタイマ」
ちょっと きけん な かおり が します。
キッチン で キメたり あさ おきて めざめ の コーヒてきな かんじ で キメたり
パート の おばちゃん が いっしょうけんめい あんしつ で そだてている かんじです。
「タイマー」は「タイマー」のままで おねがいします。

風に舞いあがるビニールシート

牛丼を通して彼は世界を捉えていたんです

「大学の頃、同じサークルに毎日毎日、牛丼ばかり食べてる先輩がいたんです。彼は本当に牛丼が大好きだったから、なにもかも、世界のすべてを牛丼に置きかえて考えるのがつねでした。当時は牛丼が一杯四百円くらいだったかな。たとえば映画の料金が千六百円って、高いのか安いのか私にはよくわからなかったけど、その先輩にとってはものすごくはっきりしていたんです。千六百円あれば牛丼を四杯食べられる、だからそれは高い、って。よっぽどおもしろい映画でなきゃ牛丼四杯分の価値はない、って。みんなで買物に行って、Tシャツ一枚買おうか迷ったときにも、彼の基準となるのはやっぱり牛丼でした。三千円のTシャツを買うお金があったら、牛丼が七杯食べられる。七杯分の牛丼を犠牲にするだけの価値がそのTシャツにあるのかどうかって、いつもものすごく真剣に、牛丼を通して彼は世界を捉えていたんです」
「バカな男だな」
 浜尻のからいコメントに、恵利子はふっと破顔して、
「ええ、でも私には彼がうらやましかった。だって、牛丼中心のその世界があまりにも断固として、揺らぎがなかったから。私は逆でした。私には彼にとっての牛丼みたいなものがなかったから、なにを基準に生きればいいのかわからなくて、いつも誰かの物差しを借りてばかりいた。恋人とか、友達とか、両親とか、身近な人たちの考えに頼って、ぶらさがって……」

森絵都.風に舞いあがるビニールシート(文春文庫)

ねこです。

ブレる とか ブレない とか ブレンディ とか いわれる さっこん ですが
ゆるがない ぎゅうどん ちゅうしん の けいざいがく かっこいいです。
その むかし に ビッグマックしすう なんてものも はやったそうですが
ねこ は あれですよ たいやき。

1たいやきは150えん。
1えいがかんしょう=12たいやき
1Tシャツ=20たいやき
1ディズニーランド=36たいやき

すごいです。
たいやき たべホーダイ です。
でも 36こ がまんして ディズニーランド いったほうが いいかもです。
ディズニーランド に いくと ついつい ほしくなる キャラクタ の バケツポップコーン ですが
ポップコーン は 6たいやきなので さすが に じっと がまん の こ。
あの バケツポップコーン を ちゅうちょなく かえるように なりたいものです。