恋する寄生虫

ときには、他人の目から見えているもののほうが真実に近いということもあるかもしれない

「……ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない?」
──自分には、一生、伴侶と呼べる相手ができないんじゃないか。
──自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。
──自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか。
「私はフタゴムシじゃないから、ときどき、眠りにつく前にそんなことを考えちゃうんだ」佐薙は感情を込めずに淡々と言った。「高坂さんは、こういう気持ち、わかってくれるかな?」
 高坂は深く肯いた。「僕も、似たようなことをしょっちゅう考えるよ。外を歩いていて、いかにも幸福そうな夫婦を見かけたとき、しみじみと思う。『あれは、自分には一生手に入らないものなんだろうな』って。そのたびに、たまらなく悲しい気持ちになる」それから一息置いて、こうつけ加えた。「でも、佐薙がそんなことを考える必要はないと思う。君は僕よりもずっと若いし、聡明だし、はっきり言って見た目もいい。欠点を補って余りあるものを持っている。今のうちから悲観することはないんじゃないかな」
 佐薙はゆっくりと首を振った。「高坂さんは、私のことをよく知らないからそんなことを言えるんだよ」
「そうかもしれない。でも、自分が一番自分のことをよく知っていると思ったら、それも間違いだよ。本人だからこそ見逃している部分もある。ときには、他人の目から見えているもののほうが真実に近いということもあるかもしれない」
「……そうだね。そうだったらいいね」

三秋縋.恋する寄生虫(メディアワークス文庫)

ねこです。

じぶんの ことは じぶんが よくしってるって おもいがちですが
あんがい そうじゃないみたい。
せいかくしんだんとか ちょっとまえに はやった MBTIとか やってみると
いがいな じぶんを しることができたりします。

ねこは じぶんでは いやしけいの ゆるキャラという にんしきですが
もしかしたら たにんからは そうは うつってないのかも。

かんがえれば かんがえるほど わからなくなるし
おねいさんに きいても ふつごうなことは
ごまかされるに きまってる!

ききたいことも きけない こんな よのなかじゃ
と びみょうに かしが ちがう きが しなくも ないですが
たにんに どう おもわれていても
じぶんらしさを もって いきていく
それくらい つよい ねこで ありたいです。

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