好きな人の気を引きたかったら何か盗めって
「ねえ津さん、あたしのメモリ知りません?」
青崎有吾.水族館の殺人(創元推理文庫)
「メモリ?」
「USB。赤いやつ。この辺に置いといたんだけど、どっかいっちゃったみたいで」
「これですか」
津がポケットから赤いUSBメモリを取り出すと、女性は飛びついた。
「あ、これこれ。なんであんたが持ってんのよ!勝手に人のもの盗らないでよ!」
「いやあ、雨宮さんが言ってたんですよ、好きな人の気を引きたかったら何か盗めって」
「何それ、小学生みたいな理屈ね……ていうか津さん、あたしのこと好きなの?」
ねこです。
すきな ひと の き を ひきたかったら なにか ぬすめ。
なかなか に だいたん です。
それくらい だいたん に いかないと だめ なのかも。
でも ぬすむ なら USBメモリ じゃなくて もっと ぐっと くるもの ぬすむ べき。
つまり あれですよ。
やつ は とんでもないもの を ぬすんで いきました。
あなた の こころ です。
これです。
こころ を ぬすまないと。
でも これは さまざまな もの を ぬすんできた ルパン だから こそ。
ねこ は こころ ぬすむ すべ を しらないので
まだまだ しゅぎょうちゅう です。