月別アーカイブ: 2024年6月

観覧車

男は、噓をつくのだ。

 唯は、両手で顔を覆った。嗚咽が、静かな車内に切れ切れに流れる。
 あたしも信じていた。
 貴之は、自分から望んであたしを捨てたのではないと。
 誕生日のプレゼントを楽しみにしていて、と彼は言った!
 だが。
 男は、噓をつくのだ。
 決してついてはならない、噓を。

 雨に濡れてすっかり色の抜けた白い花びらが、どこからか運ばれて来て窓ガラスに貼り付いた。唯の瞳の中で、花びらが静かに流れて、消えていった。

柴田よしき.観覧車(祥伝社文庫)

ねこです。

おとこ は うそ を つく。
うそ を つくと はな が のびる にんぎょう も
おおかみ が くるぞー と うそ つく しょうねん も
おいしいうそ の ちんけんみんさん も おとこでした。
けしからん よのなかです。

うそつき は どろぼう の はじまりって きいたことが あります。
いきつくさき は ルパン。
ねこ は こころ を ぬすむ こいどろぼうなら ちょっと ありだと おもいます。

潔白

ひと手間かける。仕事ってやつだな。

〝日本一の寿司屋〟は、薄野の南端の雑居ビルの四階にあった。清潔な白木の付け台の向こうで、実直そうな初老の主が、せっせと小魚の骨を抜いている。
「親爺、それは何だい?」
 西尾が横柄に訊く。
「鰯の昆布締めで。こいつをさっと炙りましてね」
「旨そうだ、それをくれ」
「へい」
「ふふふ。刺身を酢飯に載っけりゃ寿司ってもんじゃない。ひと手間かける。仕事ってやつだな。それが寿司だ」

青木俊.潔白(幻冬舎文庫)

ねこです。

ひとてま くわえると おいしくなる ふしぎ な まほう。
おねいさん は さいご の さいご に ひとてま かけます。

ぎゅうどんには しちみ を ざっざ と かけ
やきそばには くろこしょう を ごりごり かけ
はかたラーメンには しろごま を しょしょ と かけます。

あーなんてこと。
ひとてまって そういうことじゃ ないらしい。
でも おいしければ オッケーです。