月別アーカイブ: 2023年4月

お探し物は図書室まで

でも、夢の先を知りたいと思ったのなら、知るべきだ

「いつか、雑貨屋をやりたいんです。アンティークの」
「いつか」
 小町さんはまた、そこだけ復唱した。フラットな言い方だったけど、僕はなんだか、あわてて言い訳をしなければいけないような気持ちになった。
「いや、だって、すぐには会社辞められないし。店を開けるほどの莫大な資金をあっさり調達なんてできないし。そりゃ、いつかなんて言ってるうち、夢で終わっちゃうのかもしれないけど」
「………夢で終わる、というか」
 小町さんは、かくんと首を傾ける。
「いつかって言っている間は、夢は終わらないよ。美しい夢のまま、ずっと続く。かなわなくても、それもひとつの生き方だと私は思う。無計画な夢を抱くのも、悪いことじゃない。日々を楽しくしてくれるからね」
 僕は言葉を失った。
「いつか」が夢を見続けるための呪文だとしたら、その夢を実現させるためには何を言えばいいんだろう。
「でも、夢の先を知りたいと思ったのなら、知るべきだ」
 小町さんはすっと姿勢を正し、パソコンに向かった。キーボードの上で一秒手を止め、次の瞬間、指が見えないくらいのハイスピードでキーを打っていく。意表を突かれて、僕はあんぐりと口を開けてしまった。
 最後に華麗な仕草でリターンキーを押すと、プリンターから紙が出てくる。差し出されたその紙には、本のタイトルや著者名と、棚番号などが表になって印刷されていた。
『あなたにも店が開ける』『わたしのお店』『退職を考えたらやるべき七つのこと』。
 リストの最後に、違和感のあるタイトルがあって僕は二度見した。

青山美智子.お探し物は図書室まで(ポプラ文庫)

ねこです。

ゆめ を みつづける だけ なら まいにち たのしい。
でも ゆめ に むかって うごき はじめたら けっこう たいへん。
なにが たいへん って ほんとう に かなう か どうか も わからない
みち を すすむ こんなん が まちうけて いる から です。

おねいさん も いろんな ゆめ を みて は うちひしがれ
ひび しゅうせい しながら いま の おしごと して います。

ゆめ かなわなく とも なんやかんや がんばって います。

きげん が ない ゆめ なら なんさい から はじめて も いいし
なんさい に なって も ゆめ み つづけて いて いい。

ねこ も バク に ゆめ たべられない ように き を つけながら がんばりたい です。

正義の申し子

人間は両生類や。なんとかなるやろ

「ジェットスキーっていうんやったか、あの水の上で走らせるバイク。そいつでクルーザーに近寄るんや」
 はて、何を言い出すのか。「あのう、もう店閉まってると思うんですけど。夜ですよ」
「緊急事態だから貸せと願い出るんや」
「貸してくれるわけないでしょう」
「強引に借りる」
 それは脅すと同義語だろう。
「……そもそも運転できるんですか」
「したことはない。けどバイクは中一から乗ってる。人間は両生類や。なんとかなるやろ」
 本当に何を言っているのかこの男は。
「あのう、一応訊きますけど、船舶免許、持ってないですよね」

染井為人.正義の申し子(角川文庫)

ねこです。

にんげん が すでに りょうせいるい に なって いた なんて しりません でした。
みず の なか を カエル みたい に およいでたり かえるとび したり
たしかに りょうせいるい に ちかづいて いる かんじ してました!

なかには カエル が はりついた Tシャツ きた しょうねん なんかも いて
にんげん の カエル へ の あこがれ つよすぎ な き も します。

そういえば さいきん にゃー と なく カエル が いる と ききました!
カエル は じつ は ねこ に あこがれてるのかも!?
にんげん は カエル に
カエル は ねこ に

なんだか フフフン って きぶん です。

じゃない方の渡辺

自分だって好きか嫌いかでいろんなことを選別している癖に、選別されることは理不尽だと思っていたんですから。

 学力テストだったらわかり易くていいのにと思いました。学力テストなら七十点だったら合格で、六十九点だったら不合格とか、わかり易いですから。
 でも私が受験した専門学校では学力テストはありませんでした。過去の作品の資料を提出するのと面接だけでした。これじゃ、どうしたら合格できるのかわかりません。自分にそうした才能があるのかもわかりません。
 そうです。絵のコンクールと一緒です。そもそも絵には点数を付けられませんからね。この絵は七十点、こっちは六十九点なんて。上手い下手の差だって指摘するのは難しいんじゃないでしょうか。受賞した絵の中には随分下手なものもありましたから。
 結局好きか嫌いかなんですよ、絵の評価なんて。そんなことで選ばれたり選ばれなかったりするのは、不公平だと思いました。腹も立ちました。
 子どもだったんです。自分だって好きか嫌いかでいろんなことを選別している癖に、選別されることは理不尽だと思っていたんですから。

桂望実.じゃない方の渡辺(幻冬舎文庫)

ねこです。

よのなか すきな もの と きらい な もの で わかれて います。
とくに おんなのこ は すき と きらい だけで ふつう が ないって
クリィミーマミ の うた で べんきょう しました!

だから おんなのこ が はなびらうらない で「すき きらい すき きらい」ってやるのは
り に かなって いる!

でも いっぽう で「あきすとぜねこ」って うらない は すき と きらい だけ じゃ なく
「あいしてる」とか「ともだち」とか「ぜっこう」とか でてくる。

こっち は もしかして おとこのこ よう?