だからどんな物語も途中で閉じちゃうのはもったいないよ
「最近はどんな本を読んでるの?」
遠野海人.眠れない夜は羊を探して(メディアワークス文庫)
さすがに心中について調べていたことは隠しておいたほうがいい気がする。僕は近くの本棚にあったものを読んでいると答えてごまかすことにした。
「あ、それ私も昔読んだことある。ちょっと怖い話だよね。でもぜひ最後まで読んでみてほしいな。きっと好きになれるから」
司書さんは棚に並ぶ本の背表紙を指でなでる。
「本って最後まで読まないと、どうなるのかわからないのが良いところだよね。離ればなれになった王子様とお姫様は、最後には奇跡的に結ばれるのかもしれない。悪い王様も改心するかもしれないし、仲間はずれの魔女には友達ができるかも」
「でも、ハッピーエンドになるとは限らないよ」
「それも最後まで読まないとわからないと思わない?たとえ怖い展開や、つらい出来事が続いたとしても、大逆転でハッピーエンドになるかもしれない。だからどんな物語も途中で閉じちゃうのはもったいないよ」
司書さんの言葉は、たしかにそのとおりだと思う。物語の続きがどうなるのかは、ページをめくってみるまでわからない。
そんな簡単なことに、今まで気づかなかった。
ねこです。
ゲームセットまで なにがおこるか わからない。
つまり いま じゅんちょうでも このさき どうなるか わからない。
ぎゃくに いまは ふこうでも きせきの だいぎゃくてんが あるかもってこと。
ものがたりは さいごまで よむべきなのです。
シンデレラだって かぼちゃのばしゃが でてきてから うんめいが うごきだすし
みにくいアヒルのこだって みずべに たどりついて しんじつに きづきますし
シティハンターだって Foot stepsが ながれると けいせいぎゃくてん。
やっぱり さいごまで あきらめちゃ いけないのです。
シュレディンガーのネコも さいごまで あきらめちゃいけません。
なかの ネコが どうなっているかなんて ねこにも わからないのです。
もしかしたら きせきの だいぎゃくてんが おこる かのうせいを しんじて
はこを あけてみたいと おもいます。