きみとぼくの壊れた世界

……噓をつくのは簡単だ。噓をつき続けるのが、難しいんだよ。好きなものを、好きでい続けるのが難しいのと同じでね。

「……噓をつくのは簡単だ。噓をつき続けるのが、難しいんだよ。好きなものを、好きでい続けるのが難しいのと同じでね。それは、そういうものなんだ」
「名言だね。うん……そうなんだよね。なんていうかね、みんなに噓をつかなくちゃいけなくって……家族にも友達にも、大好きなきみにも、噓をつかなくちゃいけなくって、噓をついてるのに笑わなくちゃいけなくって、噓をついてるのに笑いかけてもらえたりして、それって、世界に対して噓をついてるみたいな、そんな感じでね。そんな感じ。自分は、誰にも、受け入れてもらえないんだなって、そんな感想でしたとさ」

西尾維新.きみとぼくの壊れた世界(講談社ノベルス)

ねこです。

うそ を つく と その うそ を かためる ために さらに うそ を つく ひつよう が ある と いいます。
その けっか うそ を つきつづけていると だんだん くるしくなってきます。
その むかし エビチリ を うみだした ちんけんみんさん は いってました
「わたし の ちゅうかりょうり すこし うそ ある」と。
でも それは おいしい うそ なので だれも きず つけてません。

よく かんがえたら ほかにも たいやき は たい やいてないし
カップやきそば は そば やいてません。
でも おいしい ので これも おいしい うそ なのかな?
おいしい うそなら だいかんげいです!

ちなみに おねいさん は エビチリ より エビマヨは です。

傲慢と善良

何かがあった時に、まだ若いんだからって、自分より年上の人たちから言われるの、私も嫌だった。

「西澤さんは?」
「私も東京です」
 こういう時、今の住所はもう東京なのに、それでも群馬だと答えそうになる。もう三年以上になるのに、東京に住んでいる、という感覚に、まだ全然なれない。
「あら、そうなの。同じだね」
 早苗が穏やかな口調で微笑んで言うが、それきり、東京のどこなのか、というところまではお互いに聞かない。聞けない雰囲気がある。
 では、彼女たち親子は被災してここにきた、というわけではないのだ。本当は自分たちについてはあまり聞かれたくなかったのではないか──と思ったら、自分の事情を、彼女にちゃんと明かさなければいけないような気持ちになった。自分だけ聞いたのでは、フェアじゃないような気がしたのだ。
「実は、結婚がダメになっちゃって」
 本当は、まだダメになったかどうかわからないけれど、あえてそう言うと、自分の言葉に、自分で少し、傷ついた。
 告げた言葉に、早苗が「まあ」と小さく息を吞んだ。
「だから、東京に、あまりいたくなかったんです」
「そうだったの。西澤さん、今、いくつ?」
「三十五です」
「まだ若いじゃない。大丈夫よ──って言いたいけど、そんなふうに言われるのも、今はきっと嫌よね」
 早苗の顔を見つめると、彼女が「私も、嫌だったから」と肩を竦める。
「何かがあった時に、まだ若いんだからって、自分より年上の人たちから言われるの、私も嫌だった。そんなこと言う人にだけはならないようにしようって思ってたのに言っちゃった。ごめんね」
「早苗さんはおいくつなんですか?」

辻村深月.傲慢と善良(朝日文庫)

ねこです。

だいたい わかいうち は「まだ わかいんだから」って いっておけば いい と
としうえ の ひとたち は おもいがち。

こいびと と わかれて おちこんでる ときも
ゆめ やぶれて しょうらい まよってる ときも
おおざらりょうり が ちょいちょい のこってる ときも
「まだ わかいんだから」って いわれます。

これって なんさい まで いわれるのかな?
30さい に なっても 50さい の ひと に いわれそうだし
40さい に なっても 60さい の ひと に いわれそう。
つまり ずっと いわれるってこと!?
なんさい に なっても なにか を はじめるのに おそいってことは ないって いうけど
そういう こと なのかも しれません。

けつろん。
にんげん は いくつ に なっても まだ わかい。

銀座「四宝堂」文房具店

営業って結局、お得意先に可愛がられるかどうかで決まるのよ。

 事務所は七丁目と八丁目の境界あたりの古い雑居ビルにあって、掃除は行き届いていたけれど質素なつくりの一室だった。指定された時間の五分前に顔を出すと、文ママは初めて会った時と同じようなシックなスーツ姿に眼鏡をかけて、お店とは別人のようだった。
 顔を合わせるなり熨斗に水引のかけられた『就職祝い』の封筒と、包装紙に包まれた箱を渡された。
『少ないけどお祝いよ』
 あとで検めると二十万円も入っていた。アルバイトのホステスにお祝いとして渡すには多すぎる。
『良い靴を三足ぐらい買いなさい。ちゃんと手入れをして、いつ足元を見られても大丈夫なようにね。何と言ってもお客様の足元を見続けてきた私が言うんだから、間違いないわ。しっかり磨かれた良い靴を履いている方に三流以下の人はいないから』
 一緒に渡された箱を開けてみると、ファイロファックスのシステム手帳が入っていた。
『文系の新入社員は、普通、営業に配属されるものよ。よっぽどの特技が無い限りね。でね、営業って結局、お得意先に可愛がられるかどうかで決まるのよ。ユリちゃんは一生懸命さでは誰にも負けないだろうから安心はしてるけどね』
 A5サイズの黒革製で、表紙の右下に『Yuri』と金の箔押しが施してあった。
『ここにも、いろんな営業の人が来るけど、ピンからキリまでそれぞれよ。けどね、ぱっと見た第一印象で半分は決まり、残りの半分は名刺交換と商談に入るまでの雑談で決まっちゃう。で、ダメ押しがノートや手帳なの。どんな物にメモをとるかで、信用できる人かどうかが分かっちゃう。最悪なのは、持ってきた資料やカタログの余白に書く人ね。そういう人が約束を守ったためしはないわ』

上田健次.銀座「四宝堂」文房具店(小学館文庫)

ねこです。

おねいさん は えいぎょー の ひと と かかわる こと が おおい です。
なので できる えいぎょー と できない えいぎょー の みきわめりょく つよい。
たいてい の えいぎょー の ひと は しごと とること だけに いのちがけ。
ほんとう の えいぎょー の しごと は とってから が ほんばん なのに
とったら ゴール で て を ぬく ひと おおすぎ。
がっかり です。

できる えいぎょー の ひと は しごと とってから の アフターフォロー すごい。
すこしでも おしごと まわしたく なるし
なんなら ぜひ ほか の ひと にも すすめたい。
それくらい おとくいさき に かわいがられて いるので
しんきかいたく せず とも ひとづて に しごと が はいってきます。

ちなみに ねこ は かわいがられる ことには じしん が あります!
ふみふみ したり おふとん あたためたり キーボード の うえ のったり
アフターフォロー かんぺき です!
ぜひ ほか の ひと にも すすめたくなる しごとぶり!
こうみると ねこってば えいぎょー むいてるかも!

あ……でも みっか で いろいろ わすれちゃうので あんまり やくそく まもれません。
ごめいわく かけちゃう ので べつ の しごと さがします。