投稿者「fujimineco」のアーカイブ

扉は閉ざされたまま

そんなもんさ。すべての行動に感動が添付されていると思うのは間違いだ

 骨髄バンクにドナー登録している人間が、全員骨髄を提供するわけではない。バンクというくらいで、ドナー登録した人間は、自分の骨髄の型を「預けて」いるのだ。自分と同じ型の患者が骨髄移植を必要としている場合にのみ、登録者に案内がかかる。いくら本人に提供する意志があったところで、自分と同じ型の患者がいないことには骨髄は提供できない。だから五月が「ご縁」と言ったのは、的確な表現といえる。
「で、どうでした?移植手術は」
 身を乗り出す石丸に、伏見は素っ気なく言った。「別に」
「別にって?」
「どうということはなかった、ということだよ。元気が有り余っているのに入院して、手術当日は麻酔で眠らされて、目が覚めた頃にはもう終わっていた。全身麻酔から覚めた後に多少気分が悪くなったのと、採取された腰がちょっと痛かったことだけが手術の証だ。あっけないもんさ」伏見は肩をすくめた。「むしろ、手術前日の入院の方が辛かった。六人部屋の病室に入ったんだけど、居心地はめちゃくちゃ悪かったな。病室の皆さんは病気で苦しい思いをしてるのに、こっちはぴんぴんしているうえに有給休暇を取ってごろごろしているだけなんだぜ。入院費用だって移植を受ける患者持ちだ。逆に肩身が狭かったよ。いいから早くやってくれ、って感じだった。感動もなにもありゃしない」
「そんなもんですか」
「そんなもんさ。すべての行動に感動が添付されていると思うのは間違いだ」

石持浅海.扉は閉ざされたまま(祥伝社文庫)

ねこです。

くやしなみだ いかり の なみだ かなしみ の なみだ
なみだには いろいろ ありますが
かんどうしたときも なみだ が でます。

おねいさん は とし を とって なみだもろく なってきましたが
なみだ の かず だけ つよくなれるよ りろん に よると
おねいさん の せんとうりょく は 530000に たっしているとか いないとか。

フリーザ と ごかく に わたりあえる おねいさん。
なくこ も だまる さいきょー の ちきゅうじん の たんじょう です。

せっかくなので クリリン の ぶん も おねがいします。


アイネクライネナハトムジーク

ミッキーはしかも、顔色一つ変えないんだぞ

「ややこしい外交問題に発展しちゃってるんだなあ」
「どうすればいいんですかね、課長」
 課長は口を真一文字に結び、唸るような声を上げた。それから、「俺にはどうすりゃいいかなんて分からないけどな、アドバイスできるとしたら」と言った後でビールを一口飲み、さらに焼き鳥にかぶりつき、串を引き抜いた。「この間、俺はな、家族でディズニーランドに行ったんだよ。最近は、ディズニーリゾートっていうのか?女房と娘が好きだからな、ついていった」
「家族思いですね」
「これも外交だ」課長は言う。「で、パレードがあったんだがな、最後、ミッキーマウスがみんなの前を通りながら手を振ってくれたんだ」
「ああ、でしょうね」
「俺は何とはなしに、一緒に合わせて、手を振ってみたんだ。ミッキーが振っている間、ずっと俺も」
「どういうことですか」
「ミッキーはあっちを向いてもこっちを向いても、ずっと手を振ってるんだよ。でな、あれは結構、きついぞ。こうやって、手を振るのはかなりきついんだよ。やってみろよ」
 やってみろよ、と言われて藤間も困惑するが、確かに右手をぶるぶる十秒ほど振っただけでも手首が痛くなった。
「それをあいつはずっとやってんだよ。大したもんだよ。相当、疲れるぞ。あれが仕事だと言ってもな、普通はできねえよ」
「仕事、とか言わないでくださいよ」
「ミッキーはしかも、顔色一つ変えないんだぞ」
「顔色って」藤間は、課長の顔をじっと見る。そこで話題が終わる気配があった。
 慌てて、「課長、その話から何を読み取ればいいんですか」と言う。
「俺に訊くなよ」

伊坂幸太郎.アイネクライネナハトムジーク(幻冬舎文庫)

ねこです。

まいにち パレード で て を ふる ミッキー。
たしかに かおいろ かえる どころか あせ ひとつ かかずに て を ふってます。
さすが みんな の アイドル ミッキー。
まね しろ と いわれても ちょっと むり。
まえ に まねきねこ の まね して て を あげて みたけど
あれも しんどかったくらい ですから。

たぶん めんせつ でも ビル の まどそうじ けいけん している ミッキー は ゆうぐう されそう。
あと もとアイドル みたいに て を ふること が しごと な ミッキーも。
こうしつ や おうしつ も て を ふるので おうぞくミッキー は ゆうぐう されます。
おうじさま は とくに こうとくてん。

そりゃ ミッキーじゃなくて ミッチーでんがな という ツッコミが きこえてきそうです。
だいぶ オチ が わかりやすくて けっこう です。
いや わかい ひと には もしかしたら つたわらないかも。

で この ぶんしょう から なに を よみとれば いんでしょう?

図書館の殺人

怪しい者ではありますが、とにかく気にしないでください

「あなたたちが刑事さんだというのはわかりましたけど……そちらの二人は?」五人分の視線が、警部の隣でかっぱ巻きを頰張っている場違いな少年と、その後ろの柚乃へ注がれた。柚乃は急いで兄の背中に隠れたが、遅かった。まあ当然こうなるだろう。所轄の二人は二階に残してきたので、県警コンビと自分たちだけではますます悪目立ちである。
「あー」仙堂は額に手をやり、「彼は捜査のアドバイザーです。同席させているだけですからお気になさらず」
「まだ子どもに見えるのだけど」
「高校生です。ですが、怪しい者ではありませんから」
「お寿司を食べているように見えるのだけど」
「失礼、訂正します。怪しい者ではありますが、とにかく気にしないでください」

青崎有吾.図書館の殺人裏染シリーズ(創元推理文庫)

ねこです。

あやしい ひと は きになります。
おすし を たべる ひと は あやしい。
えっ そうなの?

でも たしかに スーパー で おすし はんがく に なるまで まってる ひと の
あやしさ は じんじょうじゃないです。
もう まんびきはん つかまえる Gメン より するどい め。

はんがくシール はられた しゅんかん まんびき いじょう に すばやい うごき。
おすし たべる ひと あやしい せつ
あながち まちがって なさそう。

ねこ は トロ が すきなので トロ おなかいっぱい たべたい。
だけど おすし たべると あやしい ねこ に なっちゃう ジレンマ。
スーパーで おすし はんがく に なるまで ぐるぐるまわって けつろん だしたいです。