黒牢城

弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう

「摂州様。牢の中からひとを殺すというのは、存外、難しいことではござらぬな」
 村重は、刀の柄に手を置いたままである。
「殺したのは儂じゃ。おぬしは儂を道具にしたと言うか」
 官兵衛は答えなかった。
 村重は暫時、迷った。村重は屈強の武者で、智謀の士でもある。だがかれは、おのれが摂津国主にまで上ったのは、誰よりも勘がよかったからだと考えている。弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう。その勘はいま、ここですぐに官兵衛を殺せと告げている。

米澤穂信.黒牢城(角川文庫)

ねこです。

つめと ねこパンチが おもての どうぐなら
うらの どうぐは きゅうかくと きびんさです。
きほんてきに おもての どうぐも ひけびらかしたり しませんが
うらの どうぐは だれにも ないしょです。

うらの どうぐ じつは べんりです。
するどい きゅうかくで おいしい においや あやしい においを かぎわけます。
とくに おいしい においは とくいぶんや!
そして おいしい においの ときは シュシュッと きびんさで ちかよります。
ねらった えものは にがさない しんしゅつきぼつの なんとやら です。
あやしい においの ときは はらりと ひるがえし
そのばから たちさります。
にげあしの はやいやつだぜって いわれること かずしれず。

うらの どうぐ けっこう だいじなので
これからも みがきつづけたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です