でも、俺はあんたのこと、なるべく覚えているようにする。あんたが死んじゃっても。俺が死ぬまで。それじゃだめ?
「ねえ、多田さん」
三浦しをん.まほろ駅前狂騒曲(文春文庫)
と、ばあちゃんは言った。「あの世ってあるんだろうかねえ」
多田は言葉に詰まった。多田としては、あの世などないと思っている。死んだら終わりだ。その考えはいつも、震えるほどの寄る辺なさと、清々するような解放感とを多田にもたらす。だが、弱気になっているらしい曽根田のばあちゃんに対し、「ないと思います」と答えるのはためらわれた。ばあちゃんを力づけるような、どんな言葉も持ちあわせていないことが歯がゆかった。
「あの世なんてないよ」
返答の遅れた多田に代わり、行天が堂々と言い放った。曽根田のばあちゃんは表情を強張らせる。
言いにくいことを、そんなにズバッと告げなくてもいいだろう。多田は苦々しく思い、
「おい、行天」
と制そうとした。だが行天は、かまわずに言葉をつづけた。
「でも、俺はあんたのこと、なるべく覚えているようにする。あんたが死んじゃっても。俺が死ぬまで。それじゃだめ?」
ねこです。
ねこ は あのよ とか このよ とか そのよ とか どのよ?って かんじです。
よく きくのは
おじいさん は てんごく へ いきました とか
ペロ は おほしさま に なったのよ とか
きほんてき に そら たかく のぼっていく イメージ です。
ねこ は くも の うえ に いけたらいいなって おもいます。
ふかふか してそうだし わたがしみたいに おいしいかもだし
マリオ の せかいでも くも の うえって だいたい コイン たくさん あるし。
そう かんがえると しぬのも そんなに こわくない きがしてきます。
でも できれば ねこ の こと おぼえていてくれる ひと が いるといいな。
おねいさん は おぼえていて くれるかな?
きのう の おひる も わすれちゃうくらいだし ちょっと しんぱい。