横浜といったら、やっぱり崎陽軒でしょう
「はい、お弁当」
三浦しをん.まほろ駅前多田便利軒(文春文庫)
と、オレンジ色の紙で包装された箱をくれた。「横浜といったら、やっぱり崎陽軒でしょう」
ハイシーは箱を手に、電車に乗った。発車までのわずかな時間、開いたドアを境にハイシーと行天は立っていた。
「あなた本当にまほろに戻るの?」
「うん」
「危ないよ。一緒に行こう」
自分の言葉に、ハイシーは驚いた。馬鹿な男と同じようなことを言ってる、と。
「サバクを見に?」
行天は笑った。「何日かしたら、コロンビア人にでも電話してみてよ。それまでに終わらせとくようにするからさ」
ドアが閉まり、行天をホームに残して電車は走りだした。ハイシーに言わせると、「ふつうだったら、惚れてる」そうだ。
「だけど電車のなかで崎陽軒の箱を開けたらさあ。
ねこです。
よこはま の おべんとう と いえば シウマイべんとう です。
8つ に くぎられた あの ごはん は シウマイ 5こ からあげ まぐろのつけやき うめぼし で
たべる と ちょうど よいので うまく できています。
たまごやき に かまぼこ と そつのない チョイス。
たけのこ の にもの も ほどよい あまさ で まんぞく。
こんぶ の つくだに と せんぎり の しょうが も だきょう していません。
そして さいご は デザート とも いうべき あんず。
これこそ が シウマイ べんとう の シンズイ です。
でも そんな シウマイべんとう を ツウな人 は おさけ の つまみ として いただくんだって。
おねいさん も ビール かたて に シウマイ を つまんだり
まぐろのつけやき を つついたり
なるほど たしかに ビール との あいしょう も ぴったり。
どんな ばめん でも てきおう する シウマイべんとう は たび には かかせません。
ねこ に またたび
たび には シウマイべんとう。
あ この キャッチコピー つかっても いいよ。