死神の精度

「自分と相手が同じことを考えたり、同じことを口走ったりすると、何だか幸せじゃないですか」

「わたし、土日とかいつも暇なんですよ。昨日は嘘をついちゃいました。すみません」彼女は頭を下げた。垂れ下がった前髪が、カフェオレに入るのではないか、と私は心配になる。
「いや」荻原がそこで軽快に言った。「そんなの嘘のうちに入りませんよ
「え?」
「僕の昔観た映画でこう言ってたんです」
 それは一昨日、私に聞かせたのと同じ内容だな、と気づき、種を知っている手品を目撃するような気恥ずかしさに襲われる。
「『誤りと嘘に大した違いはない』って。それから」荻原がそこで間を置き、つづきを口にしようとしたがそれより先に、古川朝美のほうが言葉を発した。
「『微妙な嘘は、ほとんど誤りに近い』ですね」
「あ」と驚いた荻原は一瞬、息を止め、しばらくした後で、「古川さんも」とかろうじて言った。
「ええ、意外に好きなんです、あの映画」と彼女も勢い良くうなずいた。
 そして、まるで二人で示し合わせたかのように、映画の題名を口にすると、その重なり具合にさらに感動したのか、同時に噴き出した。私はただそれを傍観している。「自分と相手が同じことを考えたり、同じことを口走ったりすると、何だか幸せじゃないですか」と言った荻原の言葉が、頭をよぎった。

伊坂幸太郎.死神の精度(文春文庫)

ねこです。

すきな おんがく や すきな えいが や すきな ゆうめいじん が いっしょ だと はなし が もりあがり ます。
どれくらい もりあがるかというと おおもりチャーハン くらい。

チャーハンと いえば ちゅうかりょうりやさん はいったときの かいわでも あらわれます。
「あ なんか チャーハン たべたいねー」
「いいねー」
「じゃあ おおもりチャーハン いっこ たのんで ふたり で わける?」
「そうしよう」
なかよし の しるし です。

じつは ねこ と おねいさん も き が あいます。
おはよう と いうと おはよう と いう
ごはんー と いうと ごはんー と いう
あそぼう と いうと あそぼう と いう
なに これ もしや かねこみすゞさん?

FINE DAYS

「だから僕らは祈るんです。たった一瞬の光に向けて。その全存在をかけて輝いているたった一瞬の光に向けて」

「流れ星、知ってますか?」
 不意に結城が言った。
「流れ星くらい知ってる」と私は言った。
「流れ星って塵なんです。地球の重力に引かれた小さな塵が地球に向かって落ちてきて、大気圏で摩擦熱で高温になって発光する。それが流れ星なんです」
「雑学講座か。ためになるよ」
 茶化した私に取り合わず、結城は静かに続けた。
「ものすごく広い宇宙の中の取るに足りないような僕らより小さな塵が、たった一度きり、その存在を僕らに示すんです。自分の体を焼き尽くすことで」
 広大な時空間。その一点を占めることしか許されない小さなものたち。その一点を輝かせるために命を差し出せと言われたら、私はどうするだろう?
「切ないな」と私は言った。
「ええ。そして美しい」と結城は言った。「だから僕らは祈るんです。たった一瞬の光に向けて。その全存在をかけて輝いているたった一瞬の光に向けて」

本多孝好.FINEDAYS(角川文庫)

ねこです。

ながれぼし に ねがいごと を すると かなうって ききました。
なぜ かなうのか くわしいことは わからないのですが これは すごいことです。
なんにん の ひと が ねがいごと してるのか わかりませんが
いっしゅん で たくさん の ひと の ねがい を きくことが できる ながれぼし は
しょうとくたいし より えらい き が してきます。

そういえば サンタクロース も せかいじゅう の こどもたち に いちや に して プレゼント を くばるので すごい です。
おてがみ を かいたり おとうさん や おかあさん に サンタさん に ほしいもの を いうだけ で とどけてくれます。
じつは ながれぼし の しょうたい は サンタクロース なのかも。
そう かんがえたら そう と しか おもえなくなってきました。
ねこ は いつも サンタクロース が クリスマス いがい に なに を してるか き に なってたのですよ。

ばばん!サンタクロース の ふくぎょう は ながれぼし でした!(かくしん)
これで かいけつ です。フフフン。

終末のフール

こんなご時世、大事なのは」と杉田は答えた。「常識とか法律じゃなくて」といったん言葉を切り、子供が悪戯を仕掛けるような顔つきになったかと思うと、「いかに愉快に生きるかだ、と」

 兄がどういうつもりで、その案を受け入れたのか理解できなかった。けれど、杉田の家族が提案してきた脱出の方法に、兄は乗った。つまり、俺も乗った。
 浴室で、俺たちは天井を見上げている。杉田の妻と娘は、浴室の外に立っていた。
「うまくいく可能性は低いな」兄は達観した口調だった。
「きっと大丈夫」杉田は目を充血させ、畳んだ段ボールを俺に手渡した。それを持ったまま、この天井裏の通路を這っていけ、ということだった。「このまま、西に行った突き当たりが五〇一号だ。渡部さんには頼んでおいた。渡部さんとお父さんが、荷物を装って、一人ずつ運び出すことになっている」
「その渡部という男は、どうして協力してくれる?」兄が訊ねた。
「渡部さんのお父さんが以前、言っていたんだ。こんなご時世、大事なのは」と杉田は答えた。「常識とか法律じゃなくて」といったん言葉を切り、子供が悪戯を仕掛けるような顔つきになったかと思うと、「いかに愉快に生きるかだ、と」と片眉を上げた。

伊坂幸太郎.終末のフール(集英社文庫)

ねこです。

こんな ごじせい です。
「こーんな じだい や さかい やすぅ うるで~」と いっていた ビックカメラも
あれよあれよ と きゅーしゅーがっぺい して おおきくなり
ユニクロ と ていけい して「ビーックビックビック ビックロロロ」とかいう ゆかい な CM を ながしています。

なので ねこ も ゆかい に いきたいです。
「ジョーシキ」とか「ホーリツ」とか よく わかんないけど
トカゲ つかまえたり へい の うえ を あるいたり ろじうら を かっぽ したい です。

あれ?でも それって ねこ が いつも やってること です。
ああ なんと ねこ は もう ゆかい に いきてました。
ねこ は ただ めのまえ の こと に ねっしん です。