秋期限定栗きんとん事件 上

でもカラメリゼを割る瞬間って、いつも禁断の喜びを連想するの

「どうだ」
 声をかける。しかし間が悪く、ちょうどそのときウェイトレスがケーキを持ってきた。白くて丸い小さなカップの表面に、ほどよく焼き色がついた飴が張っている。小佐内は少し身を乗り出して匂いをかぐと、ほっこりした笑顔で呟いた。
「いい香り……」
 視線はクレームブリュレに固定されたまま。もしかしたら、おれが『月報船戸』を並べたことにさえ気づいていないかもしれない。もちろんすぐに記事を読んでほしいが、この瞬間の小佐内は幸せそのもののような顔をするので、こっちを見ろとも言いにくい。
「でもカラメリゼを割る瞬間って、いつも禁断の喜びを連想するの」
 そして小佐内はスプーンを取り上げ、表面の飴を何度かつっつく。やがて、ぱりん、と小さな音を立てて、飴が割れた。ところで小佐内の禁断の喜びとは何だろう。食い逃げとかだろうか。
 最初の一匙を口に運んでも、小佐内は何も言わない。ぼうっとしている。もう一度、
「どうだ」
 と訊くと、はっと意識を取り戻して。なぜか誇らしげに言う。

米澤穂信.秋期限定栗きんとん事件上小市民シリーズ(創元推理文庫)

ねこです。

クレームブリュレ を ちゅうもんする りゆうの 9わり は パリパリを わることです。
これは ぜったい。

おもえば おねいさんは こどものころから わったりするの すきでした。
ふゆの みずたまり に うすく こおり が はっていると かさ で つついて わってました。
すこし みちを ふみはずしていたら まよなか の がっこうで まどガラス わっていたかも。
あぶない ところです。

おとなに なった いまは クレームブリュレの パリパリ わることで
いまのところ まんぞくしていますが
そんな おねいさんの ゆめは にほんしゅの はいった たるを たたく
かがみびらき を やること。
けっこんしきで やるには 10まんえんから15まんえんくらいだって。
けっこうな おねだん。

けっこんまでに 15まんえん ためるため かがみびらきちょきん はじめないと!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です