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ただいま神様当番

私、最近思うんだよね。怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。それを勇気って言うんだと思う

 家を出てパン屋さんの角を曲がったら、その隣にあるアパートから女の人が出てきた。バス停でいつも会う、あの素敵なお姉さんだった。このアパートに住んでるんだ。
 お姉さんはわたしと顔を合わせると、やわらかく笑ってくれた。嬉しくなって、わたしは思わず「おはようございます」と声を上げる。
「おはよう。いつもひとりで遠くまで通ってて、えらいね」
 歩きながら話しかけてくれたので、自然に並んで一緒にバス停に向かうかたちになった。軽い雑談のあと、わたしは告白するみたいにお姉さんに想いを伝えた。
「お姉さんがおじさんに席ゆずらせたの、見ました。怖いもの知らずで強くて、カッコいいって思いました」
「いや、あれは」
 お姉さんはなぜだか真っ赤になって苦笑いする。そしてちょっと道の先を見ながら、ゆっくり言った。
「怖いもの知らずって、そんなに強くないよ」
「………え?」
「私、最近思うんだよね。怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。それを勇気って言うんだと思う」

青山美智子.ただいま神様当番.宝島社

ねこです。

つゆというものの れんじつの あつさに
「いま なつ だっけ?つゆ だっけ?」
って なりながら よくわからないうちに つゆ あけがち。

そんなこんなで むぎちゃの おいしい きせつですが
おねいさんが こどものころ がぶがぶ むぎちゃを のんでいると
いつのまにか むぎちゃ なくなってて
「さいごに のんだひとが むぎちゃとうばん!」
って いわれたはずなのに いつも からの むぎちゃボトルが はいっています。
せめられると「いやいや すこし のこってるし!」みたいな わるあがき しがち。
むぎちゃなんて すぐつくれるのに こどもの よくわからない いじってやつです。

ほんとうは めんどくさいのに むぎちゃ つくるひとは なんばいも えらい。
ねこは めんつゆと むぎちゃの くべつが つかないので つくってあげられません。
ねこも むぎちゃ つくって えらくなりたいです。

月曜日の抹茶カフェ

ノリの良さと運の良さは比例する

「…………おうす、飲まれますか」
「おうす?」
「薄茶のことです。一般的に馴染みのある泡立った抹茶のほう。普通に飲みやすいと思います。電話の出方を教えていただいたお礼に、サービスで」
 するとマスターが私に視線をよこし、さらりと言った。
「お茶点てるとこ、見せてもらったら」
「いいんですか?見てみたいです」
 私が身を乗り出すと、若旦那はかすかにうなずく。マスターが新聞をたたみながら笑った。
「いいねぇ。知ってる?”ノリの良さと運の良さは比例する”」
「誰の格言ですか、それ」
「俺」

青山美智子.月曜日の抹茶カフェ(宝島社文庫)

ねこです。

ノリのよさ と うんのよさ は ひれい します。
よのなか だいたい ノリ で うごいている ひと ほど
ラッキー な こと おおい き が します。
おねいさん も なんとなく ノリ で さんか して こうかい した こと より
よかった と おもう こと の ほう が おおい って いってた。
よくわかんない けど ノリ で さんか して たのしければ ラッキー。
そして このうえなく ハッピー。

ノリ で はじめた こと が のちのち べつ の みち に つながって いたり
ほんらい たどりつきたかった ばしょ へ とおまわり しながらも つながっていたり
そういった いみ でも うん なのかも しれません。

ノリ が いい と せかい も ひろがる って いいますし、
ねこ も フットワーク かるく ノリ で いきていきたい です。

鎌倉うずまき案内所

なつかしいって感情は、年長者へのご褒美みたいなものだよね

「これ持ってたな、青いアイマック」
 半透明のそれは、モニターの後ろが丸みを帯びた三角のかたちに出っぱっていて、フルフェイスのヘルメットみたいだった。
「マックなんですか?なんか、すごい場所取りそうですね」
 僕が言うと、はははは、と折江さんは笑った。
「当時はオシャレだったんだよ、このフォルム。それまでは四角い箱型しかなかったから。そうそう、このころはなんでもスケルトンって、流行った、流行った」
 折江さんはしばらく目を細めて「最新型、登場」と見出しのついたマックを見つめていた。キーボードの縁やマウスも同じ色をしている。ブルーハワイのフラッペみたいな青。
「いいなぁ。なつかしいって感情は、年長者へのご褒美みたいなものだよね。時がたてばたつほど、美味くなる」
 折江さんがぽつんと言い、ふっと空気がゆるんだ。

青山美智子.鎌倉うずまき案内所(宝島社文庫)

ねこです。

あのころ だれしもが あこがれた iMac。
ボンダイブルー と いう なぞ の あおいろ が いんしょうてき。
ソーテック って いう メーカー からも e-one って いう
iMac みたいな そっくり さん とうじょう。
カオス な じだい でした。

そのご も 5しょく の iMac なんて のも とうじょう したり して
アップル ふっかつ の のろし なんて いわれてました。

なんというか あの ころ は とにもかくにも テレホーダイ だったので
ネット するのは 23じ から みたいな おやくそく も あり
くらい へや に ぼんやり うつる がめん と
あの スケルトン で あざやか な カラー が よく はえた もの でした。
スケルトン じゃ なくなった のも じょーじせつぞく が いっぱんてき に なってきた ころ で
やっぱり そういう いみ でも じだい だった の かも しれません。

とうじ の おねいさん は どこからか て に いれて きた
WindowsMe を うっかり インストール して めっちゃ ふあんてい。
ちょっと ゆだん すると ブルースクリーン が でてきて
こころ も ふあんてい パソコン も ふあんてい な センチメンタルブルー 。

ボンダイブルー に センチメンタルブルー。
ある いみ あお の じだい (どうもと つよし)を いきぬいた おねいさん。
ごほうび は ガリガリくん ソーダあじ です。