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お探し物は図書室まで

でも、夢の先を知りたいと思ったのなら、知るべきだ

「いつか、雑貨屋をやりたいんです。アンティークの」
「いつか」
 小町さんはまた、そこだけ復唱した。フラットな言い方だったけど、僕はなんだか、あわてて言い訳をしなければいけないような気持ちになった。
「いや、だって、すぐには会社辞められないし。店を開けるほどの莫大な資金をあっさり調達なんてできないし。そりゃ、いつかなんて言ってるうち、夢で終わっちゃうのかもしれないけど」
「………夢で終わる、というか」
 小町さんは、かくんと首を傾ける。
「いつかって言っている間は、夢は終わらないよ。美しい夢のまま、ずっと続く。かなわなくても、それもひとつの生き方だと私は思う。無計画な夢を抱くのも、悪いことじゃない。日々を楽しくしてくれるからね」
 僕は言葉を失った。
「いつか」が夢を見続けるための呪文だとしたら、その夢を実現させるためには何を言えばいいんだろう。
「でも、夢の先を知りたいと思ったのなら、知るべきだ」
 小町さんはすっと姿勢を正し、パソコンに向かった。キーボードの上で一秒手を止め、次の瞬間、指が見えないくらいのハイスピードでキーを打っていく。意表を突かれて、僕はあんぐりと口を開けてしまった。
 最後に華麗な仕草でリターンキーを押すと、プリンターから紙が出てくる。差し出されたその紙には、本のタイトルや著者名と、棚番号などが表になって印刷されていた。
『あなたにも店が開ける』『わたしのお店』『退職を考えたらやるべき七つのこと』。
 リストの最後に、違和感のあるタイトルがあって僕は二度見した。

青山美智子.お探し物は図書室まで(ポプラ文庫)

ねこです。

ゆめ を みつづける だけ なら まいにち たのしい。
でも ゆめ に むかって うごき はじめたら けっこう たいへん。
なにが たいへん って ほんとう に かなう か どうか も わからない
みち を すすむ こんなん が まちうけて いる から です。

おねいさん も いろんな ゆめ を みて は うちひしがれ
ひび しゅうせい しながら いま の おしごと して います。

ゆめ かなわなく とも なんやかんや がんばって います。

きげん が ない ゆめ なら なんさい から はじめて も いいし
なんさい に なって も ゆめ み つづけて いて いい。

ねこ も バク に ゆめ たべられない ように き を つけながら がんばりたい です。

木曜日にはココアを

今までいったい、何回こうやって一緒にごはんを食べましたかね。そしてあと何回、一緒にごはんを食べるのでしょうね。

ああ、そういえばピーが言っていたかもしれない。見かけはチョコレートに似ているけど、しょっぱい味の健康食品があるって。えーと、たしか、ベジマイトっていうのよ、それ。甘く見えるのにしょっぱいなんて、まるで人生よね。

 私ね、ごはんを食べている進一郎さんを見ると、なんだか安心した気持ちになるの。だって彼は、ほんとうになんでも大切に食べるのよ。どんなにつらいことがあっても、食べているときだけはほほえんでゆっくりと味わっているの。いろんな悩みがあるけど、毎日のごはんをありがたく食べているうちになんとかなる。そう思うと、私も少し、元気が出てくるの。
 今までいったい、何回こうやって一緒にごはんを食べましたかね。そしてあと何回、一緒にごはんを食べるのでしょうね。

青山美智子.木曜日にはココアを(宝島社文庫)

ねこです。

ごはん は ひとり で たべる より いっしょ に たべる ほう が おいしい の です。
おいしい もの を おいしい と いいあえる。
すてき な こと です。

ねこ は おねいさん と いっしょ に ごはん を たべる こと が ありますが
ざんねん な こと に おねいさん と たべる もの が ちがう の です。
ハンバーグ とか エビフライ とか しゅうまい とか ねこ には くれない。
もう おねいさん も この おいしい カリカリ たべれば いいのに!
この あじ が いいね と おねいさん が いった ひ を カリカリきねんび にするのに!