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カイシャデイズ

あのとき語り合った夢をおれたちは実現できたのだろうか。

「チーフは江沢リーダーと呑みにいったことないですか」
「昔はちょくちょくいってたが最近はない」
 十数年前のことを高柳は思いだした。
 酒の席ではお互いの仕事の不平不満から始まり、会社や上司の悪口をしこたま吐きだした。そのあとどうすれば会社がよりよくなるか真剣に議論を重ねた。このままではココスペースはだめだ、きたる二十一世紀にはわれらで改善をはかり、より発展させよう。恥ずかしげもなくそうした会話を日々、くりかえしていた。
 二十一世紀がやってきてもう十年近い。
 あのとき語り合った夢をおれたちは実現できたのだろうか。

山本幸久.カイシャデイズ(文春文庫)

ねこです。

わかいころは どうりょうと しごとがえりに のみにいったりして
わかいからこその どうにもならない もどかしさを おさけで のみながすと ききました。
おねいさんも しんじんのころは 1こうえ 2こうえの せんぱいに つれられ
のんだり のまされたり ハングリータイガーたべたりの ひびでした。
せんぱいや どうりょうや おねいさんが あつくなればなるほど
りょうりはさめ、さしみはひからび、からのジョッキだけが テーブルにならぶ
そして とちゅうのえきまでしかいかない しゅうでんにのり えきから トボトボ あるく
いわゆる わかげのいたりって やつです。

だんだん しゃかいのことや かいしゃのことが わかってくると
そういうものなんだと みょうに ものわかりが よくなってしまい
「じぶんたちが かえていくんだ!」みたいな ねつりょうは さめて
そのぶん ハングリータイガーの おにくは あつあつで
ただただ むごんで ひたすらに おにくを たべるのでした。

しゅうしょくしたら おとなになるものだと おもっていたけれど
こうやって そこから またいちだん おとなになることを しりました。

ときはたち おねいさんも それなりに えらくなり
いまこそ かいしゃを ちょっぴり かえられるような たちばになってきたけれど
おねいさんの つくった このかんきょうを「じぶんたちが かえていくんだ!」と
りょうりがさめるほど あつくかたるべく のみにいく しんじんたちを みていて
なつかしくなる おねいさんなのでした。

ある日、アヒルバス

運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ

「あれ、やったことある?」
「おみくじ?あるよ」
 亜紀は興味深げに近づき、
「やり方、教えて」と言った。
 秀子は棚の手前にお金を入れる穴を指し示した。
「ここに百円いれて、そこの長細い箱から棒を一本とりだすのよ。そのさきっちょに数字があるから、その数字とおんなし番号の引き出しを開くの。するとそこにおみくじが」
 うなずきながら亜紀は箱から棒をひかず、棚の引き出しに手をかけていた。
「なにやってんのよ」
 秀子が注意しても亜紀はどこ吹く風だ。かまわずつぎつぎ引き出しを開いていく。
「これが吉で、これが中吉、で、こっちが小吉。これまた吉と。これは、おっと。大吉じゃん。これいただき」
「そんなことしちゃいけないよ。罰あたるって」
「平気平気。あんたもいる?大吉?」
いらない、と答える前に、亜紀はいくつか引き出しを開き、大吉を見つけると、
「ほい」と秀子に押しつけた。
「いいって」
「だめだめ。持ってなよ。いいかい、デコ」亜紀は大吉の紙をひらひらさせながら言った。「運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ」

山本幸久.ある日、アヒルバス(実業之日本社文庫)

ねこです。

おねいさん は はつもうで で おみくじ ひきます。

かわさきだいし の おみくじ は こうもく おおくて おとくです。
れんあい や こんいん と いった おねいさん ちょーきょうみポイント から
しょくぎょう じゅうきょ まちびと うせもの などの ていばん
ぞうさく そしょう はしりびと といった ちょっと あまり みないものも。

しょうじき いうと そしょう の こうもく は ひつよう なければ
それに こしたこと ないのですが ちょっと きになってしまいます。

いや ちょっと そのまえ に はしりびと ってなによ?
ねこまっしぐらかん はんぱない。
きになったので ネットで しらべてみると
さってしまった ひと しっそうした ひと の ゆくえ の ことだそう。

はしりびと ぞくぞくとかへる

なんて かかれていたら さっていった ひと ぞくぞく もどってきそうで
それはそれで こわいです。
もしかして ゆうめいじん に なったり たからくじ あたっちゃったり するってこと?
なんか それだと あんまり うれしくないかもです。

凸凹デイズ

これは心の汗だもん

「ねえ、クロ」
 黒川はキーボードを叩く手をとめた。「取らぬ狸の皮算用」
「なによ」と醐宮。
「おまえはもう賞をとったつもりでしゃべってる」
「とれるよ、ぜったい」
 はあと黒川はため息をついた。そして言った。「賞とったらほんとうに幸せになれるのか。おれたち三人」
「もちろんだよ」醐宮の声が震えていた。泣いているのかもしれない。
 黒川はたちあがり、台所へとむかった。なにをするのかと思いきや、ガリガリ君を三本、もってもどってきた。
「ほら」無愛想に、醐宮と大滝に一本ずつ渡した。
「泣くな、莫迦」黒川は容赦ない。「まだ酒が残ってんだろ」
「泣いてないよ」ぐずぐずと鼻をならしながら醐宮が言った。
「泣いてんだろが」
「これは心の汗だもん」

山本幸久.凸凹デイズ(文春文庫)

ねこです。

アセ と いえば せいしゅん です。
ダッシュ→いいアセ→シーブリーズ!です。

おねいさん が ちゅうがくせい の とき アセ を かくと きれい に かみのけ が ぴんぴん たつ おとこのこ が いました。
まるで はりねずみのようでした。
ちょっぴりあこがれでした。
ヘッジホッグヘアーに。

おねいさん は アセ を かいても だらだら くびすじ から たれてくるだけなので なんとも ざんねん です。
なんかこう すいてき が うっすら うかぶ と ちょっぴ りせくしー なのに。
だらだら アセ ながしながら せんぷうき の まえ で かんビール。
せくしーとは ほどとおいので もう ちょっと がんばりましょう。