愚者のエンドロール

誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側が馬鹿馬鹿しい

「では一つ、話をしよう。堅苦しく考えなくてもいい。座興と思って聞いて。
 とあるスポーツクラブで、補欠がいた。補欠はレギュラーになろうと努力した。きわめて激しい努力だ。なぜそれに耐えられたのか。彼女はまずそのスポーツを愛していたし、またささやかでも名を成したいという野望もあったからよ。
 しかし、数年を経ても、その補欠がレギュラーになることはなかった。そのクラブには有能な人材が、その補欠よりもずっと有能な人材が揃っていたから。単純にね。
 その中でも極めて有能な、天性の才のある人間がいた。彼女は他のメンバーとは全く一線を画する存在だった。無論補欠の技量とは天と地の開きがあった。彼女はある大会で、非常に優れた活躍をした。大会全体を通じてのMVPにも選ばれた。そこでインタビュアーが彼女に訊いた。大活躍でしたね、秘訣は何ですか、と。彼女は答えて言った。
 ただ運がよかっただけです。
 この答えは補欠にはあまりに辛辣に響いたと思うけど、どう?」
 入須は再び俺に正対する。俺は喉の渇きを覚えたが、あいにく湯呑にもう茶は残っていない。わずかに残るお冷に手を伸ばす。
 その時、入須はぽつりと言葉を漏らした。いつも纏った女帝の衣を、つい脱ぎ落としたように。それは俺に言ったのではないのだろうが……。その言葉は俺にはこう聞こえた。
「誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側が馬鹿馬鹿しい」
 喉に流したお冷が、ひやりと俺を冷やした。

米澤穂信.愚者のエンドロール「古典部」シリーズ(角川文庫)

ねこです。

オータニさんみたいな ひとは ちがうかもですが
ふつーの ひとは じかくするの なかなか むずかしい。
おねーさんは わりと ふつーの ひととして いきてきたので
じかく できるようなことが まったく ありません。

でも わりと うんよく いきています。
なので「うんが よかっただけです」って じゅうぶん リアル。
あるいみ ノリ と うん だけで いきてる げんじつ。

なんとなく ドラクエやってても ラリホーとか マヌーサとか
かかりにくい きが します。
おねいさんの うんのよさも ゲームに はんえいするレベル。

うんのよさを じかくして いきていく おねいさんを
きょうも おうえんしたいと おもいます。

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