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ハサミ男

だって、死んだふりをして失敗したら、熊に食われちまうじゃないか

「あのね、自殺未遂者が嫌われる理由はふたつある。ひとつは、自殺未遂によって他人を支配しようとするからだ。別れるくらいなら死んでやる、とか叫んで、剃刀で手首を切ってみせるやつが典型的な例だね。わたしは自殺という普通の人間にはできない行為を試みた。ゆえに他人はわたしの言うことを聞かなければならない。そんな馬鹿げた論理を押しつけようとする」
 医師は椅子の上で背中を反り返らせ、効果を狙って、しばらく間をおいた。
「もうひとつの理由は、自分を特別な存在だと勘違いしているからだ。わたしは自殺という普通の人間にはできない行為を試みたうえに、なんたる天の配剤か、苦痛と死から無事に生還した。何かがわたしに生きろと告げている。ゆえに、わたしは特別な存在なのだ、というわけだ。だから、表情だけは暗く装って、自慢したい気持ちをにじませながら、喜んで自殺未遂体験を語ったりする。頭が悪いとしか言いようがないな。そんなのは天の意思でもなければ、彼ないしは彼女の意思とも無関係、たんなる統計的な偶然にすぎない。たまたま生き残ったから、偶然を必然に取り違えてしまうんだ。熊に出くわしたときの対処法みたいなものだね」
 自殺未遂者と熊になんの関係があるのか、わたしには見当もつかなかった。
「ほら、山のなかで熊に会ったら死んだふりをしろ、とよく言うだろう。昔からそう伝えられている、実際死んだふりをして生きのびた人も数多くいる、とね。そんなのは当然のことだ。だって、死んだふりをして失敗したら、熊に食われちまうじゃないか。わたしは熊の前で死んだふりをしましたが、助かりませんでした、と証言する者はいない。成功例しか報告されないのは当然だよ。自殺の場合も同じさ。自殺に成功した人間は、自分は特別な存在ではありませんでした、とは語らない。なにしろ、もう死んでるんだから」

殊能将之.ハサミ男(講談社文庫)

ねこです。

くまに であったときは しんだふりは げんきんって ききました。
36けい にげるにしかずとは いったものですが
ねこなら いざしらず にんげんの スピードでは おいつかれてしまうもの。
もりのくまさんも「おじょうさん おにげなさい」といいながら
もうスピードで おいかけてくる きょうふの くま。
にんげんは くまには かてない。

さいきんは もりの なかどころか まちの なかでも
くまさんに であってしまうので こまったものです。
あるひ イオンモールのなか くまさんに であってしまうかもなのです。
はなさく モールの みち くまさんに であったなわけです。
もう にげようも ありません。

そこで ねこは ていあん します。
くまに であったら おとしあな、これです。
いかくを しながら おとしあなを ほる。
そして にげる。
すると くまが おいかけてくる。
くまが おとしあなに おちる。
かんぺきです。

じんるいに ひつようなのは スコップだった。
がっかいで はっぴょうしたいとおもいます。