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江利子と絶対

お前らなんか前向きに見捨ててやる

「引きこもりというハンデを背負いながらポジティブに生きていく。引きこもってるのにポジティブ。いいとか悪いとかじゃなくて、なんか、こう、新しいでしょ?いじけてないところが人生を大事にしてる感じでしょ?ご飯も残さず食べるよ。充実した生活を送るよ。ねえ、どうかな。事故で死んだ人達もちょっと嬉しいよね。なんか喜ぶよね」
 喜ぶかなあと思ったが、この子の目がここ一ヵ月で見たこともないくらい輝いていたので、あたしはとりあえず頑張れと無責任に励ました。馬鹿な江利子はありがとうと頭を下げて固い握手を求めて来た。
「ああー、正しい。お姉ちゃん、なんか今、エリすごく正しい感じだよ」
 全てを伝え終わり、心臓に手を当てそう言うと、彼女は窓を開けて鼻から息を大きく吸い込んだ。そしてゆっくり二酸化炭素を吐き出し切った後、澄み切った目で階下を見渡し、
「お前らなんか前向きに見捨ててやる」
 と呟いて、花のように微笑んだ。

本谷有希子.江利子と絶対本谷有希子文学大全集(講談社文庫)

ねこです。

まえむき。
よい ことば です。
まえむき な ひと は みんな に すかれます。

うしろむき というと なんとなく いんしつ で じめじめしてます。
どうせ ぼくなんて!って いってる のびた です。

よこむき は ちょっと キザ です。
なんていうか しょうめん むいてるはずが つねに かみのけ よこむき の スネオって かんじです。

やっぱ まえむき です。
どんな に うた が へた でも みんな に いやがられても リサイタル を ひらく まえむきな しせい。
つまり ジャイアン です。まえむき こそ ジャイアニズム です。
ジャイアン が みんな に すかれてるか は なぞですが。

ネコ の くせに ネコがたロボット に あこがれず ジャイアン を めざす。
そんな ネコ が いっぴき くらい いたって いいじゃないですか(ちょっとだけ まえむき)。