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銀座「四宝堂」文房具店

営業って結局、お得意先に可愛がられるかどうかで決まるのよ。

 事務所は七丁目と八丁目の境界あたりの古い雑居ビルにあって、掃除は行き届いていたけれど質素なつくりの一室だった。指定された時間の五分前に顔を出すと、文ママは初めて会った時と同じようなシックなスーツ姿に眼鏡をかけて、お店とは別人のようだった。
 顔を合わせるなり熨斗に水引のかけられた『就職祝い』の封筒と、包装紙に包まれた箱を渡された。
『少ないけどお祝いよ』
 あとで検めると二十万円も入っていた。アルバイトのホステスにお祝いとして渡すには多すぎる。
『良い靴を三足ぐらい買いなさい。ちゃんと手入れをして、いつ足元を見られても大丈夫なようにね。何と言ってもお客様の足元を見続けてきた私が言うんだから、間違いないわ。しっかり磨かれた良い靴を履いている方に三流以下の人はいないから』
 一緒に渡された箱を開けてみると、ファイロファックスのシステム手帳が入っていた。
『文系の新入社員は、普通、営業に配属されるものよ。よっぽどの特技が無い限りね。でね、営業って結局、お得意先に可愛がられるかどうかで決まるのよ。ユリちゃんは一生懸命さでは誰にも負けないだろうから安心はしてるけどね』
 A5サイズの黒革製で、表紙の右下に『Yuri』と金の箔押しが施してあった。
『ここにも、いろんな営業の人が来るけど、ピンからキリまでそれぞれよ。けどね、ぱっと見た第一印象で半分は決まり、残りの半分は名刺交換と商談に入るまでの雑談で決まっちゃう。で、ダメ押しがノートや手帳なの。どんな物にメモをとるかで、信用できる人かどうかが分かっちゃう。最悪なのは、持ってきた資料やカタログの余白に書く人ね。そういう人が約束を守ったためしはないわ』

上田健次.銀座「四宝堂」文房具店(小学館文庫)

ねこです。

おねいさん は えいぎょー の ひと と かかわる こと が おおい です。
なので できる えいぎょー と できない えいぎょー の みきわめりょく つよい。
たいてい の えいぎょー の ひと は しごと とること だけに いのちがけ。
ほんとう の えいぎょー の しごと は とってから が ほんばん なのに
とったら ゴール で て を ぬく ひと おおすぎ。
がっかり です。

できる えいぎょー の ひと は しごと とってから の アフターフォロー すごい。
すこしでも おしごと まわしたく なるし
なんなら ぜひ ほか の ひと にも すすめたい。
それくらい おとくいさき に かわいがられて いるので
しんきかいたく せず とも ひとづて に しごと が はいってきます。

ちなみに ねこ は かわいがられる ことには じしん が あります!
ふみふみ したり おふとん あたためたり キーボード の うえ のったり
アフターフォロー かんぺき です!
ぜひ ほか の ひと にも すすめたくなる しごとぶり!
こうみると ねこってば えいぎょー むいてるかも!

あ……でも みっか で いろいろ わすれちゃうので あんまり やくそく まもれません。
ごめいわく かけちゃう ので べつ の しごと さがします。