ワンクリ」カテゴリーアーカイブ

Iの悲劇

万願寺さん。実は宇宙人はもう地球に来ているんですよ

「ガソリンに鉛が入っていたのは昔の話だよ。いまは入ってない」
「え、そうなんですか」
「鉛添加が禁止になったのはもう何十年も前、俺が生まれる前の話だぞ。もちろん河崎さんだって生まれてなかった。ガソリンで鉛中毒なんて、そんな話をどこで仕入れたのか不思議なぐらいだよ」
 観山は首を傾けた。
「教えてあげればいいのに」
 ああ!知らないことを教えてすべてが解決するなら、市職員はなんと楽な仕事になるだろう。
「教えたよ」
「どうなりました?」
「全部のガソリンに一切鉛が入っていないと言い切れない以上は、入ってると考えるのが当たり前だって言われた」
「ははあ」
 道が大きなカーブに差しかかり、観山が体を突っ張って慣性に耐える。曲がりきって道が真っ直ぐになったところで、つまらなそうに言われた。
「万願寺さん。実は宇宙人はもう地球に来ているんですよ」
 軽薄なところはあるが、観山は頭の回転が速い。
「来ていないとは言い切れないからな」
「ですね」
 冗談を交わしたはずなのに、二人とも、にこりともしなかった。
 疲れているのだ。

米澤穂信.Iの悲劇(文春文庫)

ねこです。

うちゅうじん は います。
あかくて むにょむにょ していて きゅーばん で はりつく あれです。
あかい から きっと かせい から きた かせいじん です。

でも ここ にほん では つかまえられて たこやき に されます。
たこやき は おいしい です
やきシリーズ の なか では たいやき の つぎ くらい に おいしい です。
たこやき に される なかま を たすけに きたものの
つかまって たこやき に される たこループ。

ちきゅう に ほか の うちゅうじん が しんりゃく してこない のは
かせいじん が「ちきゅうじん まじ やばい」って じょうほう を
うちゅうじゅう に はいしん しているから かも。

もうちょっと たこやき たべて うちゅうじん びびらせて おきたい ところ です。

残り全部バケーション

「嫌なことがあったら、バカンスのことを考えることにする」

 岡田君が関心を持っていた拷問シーンは、半ば過ぎに登場した。
 いよいよか、と私と岡田君は息を吞み、画面に注目した。手錠で繫がれた主人公が、マッチの火で手を炙られ、バスタブの水に顔を押し付けられたりするのだが、主人公がほとんど無表情で、拷問する側も淡々としているものだから、痛々しさはほとんどなかった。観終えた後、岡田君が、「拷問って大したことないな」と呟いたのは本心だったのだろう。
 きっと、レンタルビデオ店の店員は、小学生が観る拷問場面としてはこの程度がいいと考えたのか、もしくは、岡田君をからかうつもりだったのかもしれない。
「バカンスのことを考えた」
 あの映画の中で、拷問を受けている主人公がそう独白する。岡田君はそれを気に入り、その後で何度か口にした。
「嫌なことがあったら、バカンスのことを考えることにする」
「バカンスって、夏休みとか?」
「バケーションとも言うんだろうね」
 岡田君が果たして、どういう時に、バカンスやバケーションのことを思い浮かべて、現実逃避をしたくなったのか、私には分からなかった。ただ私もその後の生活で、嫌なことがあると、バカンスのことを想像して、やり過ごした。
「岡田君はひと月か、ふた月かして転校したんだ」

伊坂幸太郎.残り全部バケーション(集英社文庫)

ねこです。

バカンス って いうと やはり なつやすみ を おもいうかべます。

こども の ころ の なつやすみ は 40にち ちかく あって
うっひゃー! 40にち も あそべないよー
って かんじ だったのに おとな に なると なつやすみ めっちゃ みじかい。

バカンス の ほんば フランス では いっかげつ いじょう おやすみ することも おおく
おもいおもい の バカンス を たのしんでる みたい。

にほん の おとな も 40にち も あそべないよー って くらい おやすみ すべき!
でも おねいさん は みなみ の しま で トロピカル せず
40にち の うち 35にち くらい スプラトゥーン やってそう。

ねこ?
ねこ は えのしま で トロピカル したい です。

あれ?えのしま じゃ トロピカル できない?

15歳のテロリスト

唯一、スノードロップだけが自身の色を与えた。その日から、雪は白くなった

「篤人!」走りながら、アズサが口にした。「そういえば、スノードロップって咲いた?」
 耳を疑った。「この状況でなんだよ」
 暢気すぎる、とアズサを睨む。けれど、彼女の目つきは真剣だった。
「だって、もう、会話できなくなるから」
 それはそうかもしれない。
 この後、事態がどう転ぼうと、ボクが逮捕されることは間違いない。留置場に入れられ、鑑別所に入れられ、ボクとアズサが会話するチャンスは一生来ないだろう。
 きっとアズサも分かっているはずだ。
「もうすぐ蕾をつけそう」ボクは答えた。「そんなに聞きたかったの?」
「篤人、スノードロップの伝承には、こんなのがあるよ。雪は本来、無色だった。だから、雪は色を分けてほしいって花々に頼んだけど、皆に断られる。唯一、スノードロップだけが自身の色を与えた。その日から、雪は白くなった」
 彼女は走りながら、よどみなく語った、
 もしかしたら、ずっと用意していたセリフなのかもしれない。

松村涼哉.15歳のテロリスト(メディアワークス文庫)

ねこです。

このまえ とーきょー きんぺん でも ゆき が ふりました。
ゆき が ふる と ほごしょく に なる ので ねこ てき には
ここぞ と ばかり に かつどう したい ところ ですが
あまり の さむさ に かつどう げんかい はやめ。

おねいさん の へや は こたつ ないので
こたつ で まるく なる こと なく ふとん の うえ で まるく なって いました。
ふとん は ふかふか していて あたたたたたかくて さいこう です。
ふとん を はつめい した ひと を ひょーしょー したい くらい。

でも おねいさん は ねながら ふとん を けとばして しまうこと も しばしば。
きっと くろい こころ が あばれている の かも?
おねいさん は もっと とうめい な こころ を もって ほしい です。