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遠まわりする雛

凶のみくじは珍しい。珍しいものはめでたいものだ。だから、凶のみくじはめでたいものだ。

 凶のみくじは珍しい。珍しいものはめでたいものだ。だから、凶のみくじはめでたいものだ。
 完璧な三段論法により、こいつは春から縁起がいいや、ということになった。捨てられた仔犬を見るような伊原の視線を尻目に、浮かれて大広間に戻ってくる。
 千反田は大喜びだった。
「凶のおみくじってどういうものなんですか?わたし、気になります!」
 と、俺の手からみくじを奪い取り、しげしげと見つめ続けている。今年初めて気になったことが、凶のみくじの文面とは。あまりといえばあまりの無邪気さに、俺もさすがに言わずにはいられなかった。
「俺の凶が、そんなに嬉しいか?」

米澤穂信.遠まわりする雛「古典部」シリーズ(角川文庫)

ねこです。

ねこは かわいい
かわいいは せいぎ
だから、ねこは せいぎ

ねこが めざすは せいぎの みかた です。
おなかすいてる こたちに かお わけあたえたり
「あたらしい かおよ!」と なげられた かおを かおで うけて
げんき100ばい!っていうけいの せいぎの みかたが よいです。
ちなみに ひっさつわざは ねこぱんちです。

ところで あの ふっとばされた ふるいかお どうなるの?
そこらじゅうに ふるいかおが ころがってたり するの?
なんとも ホラーな せかいです。
ねんじゅう ハロウィンワールド。

ねこは ちょっと そういうの だめなタイプなんで
たいやき くばることに します。
めでたいやき。

クドリャフカの順番

自分に自信があるときは、期待なんて言葉を出しちゃあいけない

「どうも彼はね。期待って言葉を軽々しく使いすぎる」
「……別にいいじゃない。『期待』なんて、禁句ってわけでもないでしょ」
「いやいや」
 僕は右の人差し指を立て、二、三度横に振ってみせた。
「これでなかなか奥が深いんだ。文化祭が無事終わったお祝いに、摩耶花にも教えてあげよう」
「ふくちゃん、あのね」
「自分に自信があるときは、期待なんて言葉を出しちゃあいけない」

米澤穂信.クドリャフカの順番「古典部」シリーズ(角川文庫)

ねこです。

おしごとから かえってくる おねいさんを まちわびて。
おねいさん かえりがけに ちゅーる かってこないかな?って
きたい しつつ きょうも まちます。

どれくらい きたいしているかというと
バレンタインのひ の おとこのこくらい!

そういえば バレンタインのひの おとこのこ
まさに「きたい」してるひとほど じしんはない。
じしんが あるひとは きたい するまでもないもんね。
すごいイケメンが「チョコもらえるといいなー」なんて
きたいはつげんしてるのは ちょっと いやみっぽい。

あ おねいさん かえってきた!
ちゅーる かってきてくれたかな?
きげん よさげに はなうた うたってる!これは きたいできる!

……おねいさん じぶんの ぶんの コンビニスイーツだけ かってました。
ねこは「きたいは きんもつ」ってことばを おぼえました。

愚者のエンドロール

誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側が馬鹿馬鹿しい

「では一つ、話をしよう。堅苦しく考えなくてもいい。座興と思って聞いて。
 とあるスポーツクラブで、補欠がいた。補欠はレギュラーになろうと努力した。きわめて激しい努力だ。なぜそれに耐えられたのか。彼女はまずそのスポーツを愛していたし、またささやかでも名を成したいという野望もあったからよ。
 しかし、数年を経ても、その補欠がレギュラーになることはなかった。そのクラブには有能な人材が、その補欠よりもずっと有能な人材が揃っていたから。単純にね。
 その中でも極めて有能な、天性の才のある人間がいた。彼女は他のメンバーとは全く一線を画する存在だった。無論補欠の技量とは天と地の開きがあった。彼女はある大会で、非常に優れた活躍をした。大会全体を通じてのMVPにも選ばれた。そこでインタビュアーが彼女に訊いた。大活躍でしたね、秘訣は何ですか、と。彼女は答えて言った。
 ただ運がよかっただけです。
 この答えは補欠にはあまりに辛辣に響いたと思うけど、どう?」
 入須は再び俺に正対する。俺は喉の渇きを覚えたが、あいにく湯呑にもう茶は残っていない。わずかに残るお冷に手を伸ばす。
 その時、入須はぽつりと言葉を漏らした。いつも纏った女帝の衣を、つい脱ぎ落としたように。それは俺に言ったのではないのだろうが……。その言葉は俺にはこう聞こえた。
「誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側が馬鹿馬鹿しい」
 喉に流したお冷が、ひやりと俺を冷やした。

米澤穂信.愚者のエンドロール「古典部」シリーズ(角川文庫)

ねこです。

オータニさんみたいな ひとは ちがうかもですが
ふつーの ひとは じかくするの なかなか むずかしい。
おねーさんは わりと ふつーの ひととして いきてきたので
じかく できるようなことが まったく ありません。

でも わりと うんよく いきています。
なので「うんが よかっただけです」って じゅうぶん リアル。
あるいみ ノリ と うん だけで いきてる げんじつ。

なんとなく ドラクエやってても ラリホーとか マヌーサとか
かかりにくい きが します。
おねいさんの うんのよさも ゲームに はんえいするレベル。

うんのよさを じかくして いきていく おねいさんを
きょうも おうえんしたいと おもいます。