ワンクリ」カテゴリーアーカイブ

あのとき始まったことのすべて

おれくらいの歳になるとな ──、十年ぶりとか、 十五年ぶりとか、そういうことってすげえ増えてくるんだよ ──。

「岡田くんって、今いくつなんだっけ?」
「二十五です」
「ふーん」
 多分これから増えてくるぞ、と、門前さんは前を向いたまま言った。
 おれくらいの歳になるとな ──、
 十年ぶりとか、 十五年ぶりとか、そういうことってすげえ増えてくるんだよ ──。 

中村 航. あのとき始まったことのすべて (角川文庫)

ねこです。

とし を とる たび ○ねんぶり が どんどん ふえて いきます。 

5ねんぶり に ちくわ を たべた。
10ねんぶり に かみおおおおおおおおおか で おりた。
15ねんぶり に あの おわらいげいにん の ネタ おもいだした。 

あれ?なまえ ここまで でてる のに……なまえ なんだっけ?
あの パンパンスパパン だれ だっけ?

って ぐーぐるさん に「パンパンスパパン」って うったら
ちゃんと アクセルホッパー /ながい ゆういちろう って でてきて ひとあんしん。

こんどこそ パンパンスパパン わすれないよう がんばります。

夜は短し歩けよ乙女

あんた、一期一会という言葉を知っているか。それが偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、すべては己にかかっている。

「あんた、一期一会という言葉を知っているか。それが偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、すべては己にかかっている。俺と彼女の偶然のすれ違いは、運命の出逢いになる前にむなしく潰えた。『思えばあれがきっかけだった』と、いつの日か彼女と一緒に思い返す特権を、俺はむざむざ失ったのだ。それというのも、俺に機会を摑む才覚も度胸もなかったからだ!」
「な、飲もう」

森見登美彦.夜は短し歩けよ乙女(角川文庫)

ねこです。

まいにち ひと と ひと
ねこ と ねこ が すれちがう よのなか。
でも ほとんど ぐうぜん の すれちがい です。

いっぽう で「そで ふりあう も たしょう の えん」って ことば も あります。

むずかしい こと は よく わからない けど
であい って ずっと まえ から きまっていた の だと すると
ぜんぜんぜんせ から さがしはじめる のも ひつよう だったり するかも?

重力ピエロ

気軽に、「さようなら」が言えるのは、別れのつらさを知らない者の特権だ、と私は思う。

「今日は午後の授業はないんですか?みんな帰っていますよね」
 ジャージ先生は顔を歪めた。「この落書きが、何かの犯罪の兆候だと言うんですよ。PTAが、ですね。だから今日は子供たちを帰宅させたほうがいい、とそうなったわけですな」
「こんな落書きだけで?」
「ええ、こんな落書きでですよ」
「犯罪なんていつ起きるか分かるはずがないのに」
「まったくそうだと思うんですが、まあ、最近は何と言うか、難しいんですな。事件事件が起きたら大騒ぎになるし、未然に防ごうと神経質なんですな」
「もっと気にすべきことは他にありそうですけどね」
「それこそ子供たちには、感謝し、与え、謝罪する、ということの意味を教えてあげたいですな」ジャージ先生はしみじみと言った。
「そうですな」私はまたしても、口調を真似していた。伝染しやすい喋り方だ。「このあたりに、会社やお店の入ったビルのようなものはありませんか」と質問を続ける。
「会社やお店?」
「曖昧な質問で申し訳ないのですが」
「あの辺にいろいろありますよ」と指を向けてくれたのは、大通りのほうだった。
 礼を言って、自転車のスタンドを外し、跨った。ジャージ先生は子供たちに挨拶をしている。無邪気に、「さようなら」と言っている子供たちは可愛らしかった。気軽に、「さようなら」が言えるのは、別れのつらさを知らない者の特権だ、と私は思う。

伊坂幸太郎.重力ピエロ(新潮文庫)

ねこです。

おねいさん いわく おとな に なってから さようならって いう きかい あんまり ないらしい。
さよならは わかれ の ことばじゃ なくて
ふたたび あう ための とおい やくそく
って やくしまるさん も うたってたけど
やっぱり さようならって いわれる と ちょっぴり せつなく そして かなしい。
せんせい は まいにち いわれて かなしくなるのかな?
さようならって いわれたら さんしょううお も かなしむのかな?