ワンクリ」カテゴリーアーカイブ

水曜日の手紙

大切なのは、頭じゃなくて、心に従って行動すること。

「え?あ、ちょっと考え事してた」
「仕事のこと?」
「うん。まあね」
 するとカッキーは、ぼくから視線を外し、くるくる回すミルのハンドルを見下ろしながら口を開いた。
「少し前に、うちのお店のオーナーの霧子さんが言ってたんだけどね」
「あ、うん……」
「人間っていう生き物は、ちょっと賢すぎるから、ついつい頭で損得ばかりを考えて行動しちゃって、その結果、後悔することが多いんだって」
「…………」
「大切なのは、頭じゃなくて、心に従って行動すること。そうしていれば、物事が上手くいっても失敗しても、後悔することはないんだよって」
 ぞりぞりぞり……。
 カッキーはまだミルを見詰めている。
「心に従って、か……」
「うん。自分の心に耳を傾けて、その感情に素直に従って生きてさえいれば、死ぬときも、きっと晴れやかな気持ちでいられるよって教えてくれたの」
 海風に乗って、挽きたての豆の香りが漂ってきた。

森沢明夫.水曜日の手紙(角川文庫)

ねこです。

ねこ は にんげん ほど かしこくないので
だいたい こころ の おもむくままに こうどう しています。
いわゆる ねこまっしぐら。
そのてん おねいさん は いろいろ かんがえちゃう。
カルビじゃなくて ロース に しておこう とか
これいじょう のんだら よくじつ つらいな とか
しめ の ラーメン は やめておこう とか。

なんだか おねいさん の かんがえること たべることばっかりでした。
でも これこそ こころ の おもむくままに こうどうしたら あぶないやつ。
ねこ も おねいさん を みならって 3かい に 1かいくらい
はんチャーハン がまんします。

まほろ駅前狂騒曲

でも、俺はあんたのこと、なるべく覚えているようにする。あんたが死んじゃっても。俺が死ぬまで。それじゃだめ?

「ねえ、多田さん」
 と、ばあちゃんは言った。「あの世ってあるんだろうかねえ」
 多田は言葉に詰まった。多田としては、あの世などないと思っている。死んだら終わりだ。その考えはいつも、震えるほどの寄る辺なさと、清々するような解放感とを多田にもたらす。だが、弱気になっているらしい曽根田のばあちゃんに対し、「ないと思います」と答えるのはためらわれた。ばあちゃんを力づけるような、どんな言葉も持ちあわせていないことが歯がゆかった。
「あの世なんてないよ」
 返答の遅れた多田に代わり、行天が堂々と言い放った。曽根田のばあちゃんは表情を強張らせる。
 言いにくいことを、そんなにズバッと告げなくてもいいだろう。多田は苦々しく思い、
「おい、行天」
 と制そうとした。だが行天は、かまわずに言葉をつづけた。
「でも、俺はあんたのこと、なるべく覚えているようにする。あんたが死んじゃっても。俺が死ぬまで。それじゃだめ?」

三浦しをん.まほろ駅前狂騒曲(文春文庫)

ねこです。

ねこ は あのよ とか このよ とか そのよ とか どのよ?って かんじです。
よく きくのは
おじいさん は てんごく へ いきました とか
ペロ は おほしさま に なったのよ とか
きほんてき に そら たかく のぼっていく イメージ です。

ねこ は くも の うえ に いけたらいいなって おもいます。
ふかふか してそうだし わたがしみたいに おいしいかもだし
マリオ の せかいでも くも の うえって だいたい コイン たくさん あるし。
そう かんがえると しぬのも そんなに こわくない きがしてきます。

でも できれば ねこ の こと おぼえていてくれる ひと が いるといいな。
おねいさん は おぼえていて くれるかな?
きのう の おひる も わすれちゃうくらいだし ちょっと しんぱい。


ある日、アヒルバス

運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ

「あれ、やったことある?」
「おみくじ?あるよ」
 亜紀は興味深げに近づき、
「やり方、教えて」と言った。
 秀子は棚の手前にお金を入れる穴を指し示した。
「ここに百円いれて、そこの長細い箱から棒を一本とりだすのよ。そのさきっちょに数字があるから、その数字とおんなし番号の引き出しを開くの。するとそこにおみくじが」
 うなずきながら亜紀は箱から棒をひかず、棚の引き出しに手をかけていた。
「なにやってんのよ」
 秀子が注意しても亜紀はどこ吹く風だ。かまわずつぎつぎ引き出しを開いていく。
「これが吉で、これが中吉、で、こっちが小吉。これまた吉と。これは、おっと。大吉じゃん。これいただき」
「そんなことしちゃいけないよ。罰あたるって」
「平気平気。あんたもいる?大吉?」
いらない、と答える前に、亜紀はいくつか引き出しを開き、大吉を見つけると、
「ほい」と秀子に押しつけた。
「いいって」
「だめだめ。持ってなよ。いいかい、デコ」亜紀は大吉の紙をひらひらさせながら言った。「運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ」

山本幸久.ある日、アヒルバス(実業之日本社文庫)

ねこです。

おねいさん は はつもうで で おみくじ ひきます。

かわさきだいし の おみくじ は こうもく おおくて おとくです。
れんあい や こんいん と いった おねいさん ちょーきょうみポイント から
しょくぎょう じゅうきょ まちびと うせもの などの ていばん
ぞうさく そしょう はしりびと といった ちょっと あまり みないものも。

しょうじき いうと そしょう の こうもく は ひつよう なければ
それに こしたこと ないのですが ちょっと きになってしまいます。

いや ちょっと そのまえ に はしりびと ってなによ?
ねこまっしぐらかん はんぱない。
きになったので ネットで しらべてみると
さってしまった ひと しっそうした ひと の ゆくえ の ことだそう。

はしりびと ぞくぞくとかへる

なんて かかれていたら さっていった ひと ぞくぞく もどってきそうで
それはそれで こわいです。
もしかして ゆうめいじん に なったり たからくじ あたっちゃったり するってこと?
なんか それだと あんまり うれしくないかもです。