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不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界

社会には卒業がない。それは──将来がないのと同じである。ここからは抜けられない。

 教師をやってみてわかったことが教室と職員室に差などないということだとして、同じように学生を抜けて社会人になってわかったことがあるとすれば、学生生活も社会生活も、やはりそんなに変わらないということである。
 やなことはあるし、いいこともある。
 やな奴はいるし、いい奴もいる。
 人間関係も政治もある。
 友達、恋愛、敵対、無視、いじめ、贔屓。
 全部ある。
 大きな違いは、社会生活はお金がもらえるということと──そして、卒業がない、ということだ。
 小学校は卒業できる。
 中学校は卒業できる。
 高校は卒業できる。
 大学は卒業できる。
 しかし、社会には卒業がないのだ──まあ強いて言うなら失業はあるけれど、それは同列に並べられるようなものではない。
 卒業がない。
 社会には卒業がない。
 それは──将来がないのと同じである。
 ここからは抜けられない。

西尾維新.不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界(講談社ノベルス)

ねこです。

そつぎょう して しゃかい に くみこまれると その はぐるま は とまれません。
それは もう ハムスター の まわしぐるま の ように ぐるぐるぐるぐる。
なかには するっと ぬけだして じぶんさがし の たび というか
ほうろう の たび というか じゆうきまま な せいかつ おくったりするひと も います。

ネコ の せかい は しゃかい とか かんけいなく おなじ まいにち が つづきます。
そもそも がっこうとか ないので そつぎょう も ありません。
がっこう ないので とうぜん しけん も なんにも ないです。

あれ?ネコ の せかい って ようかい の せかい と かわらない きが してきました。
ちょっと ようかいポスト に おてがみ だしてきます。