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不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界

社会には卒業がない。それは──将来がないのと同じである。ここからは抜けられない。

 教師をやってみてわかったことが教室と職員室に差などないということだとして、同じように学生を抜けて社会人になってわかったことがあるとすれば、学生生活も社会生活も、やはりそんなに変わらないということである。
 やなことはあるし、いいこともある。
 やな奴はいるし、いい奴もいる。
 人間関係も政治もある。
 友達、恋愛、敵対、無視、いじめ、贔屓。
 全部ある。
 大きな違いは、社会生活はお金がもらえるということと──そして、卒業がない、ということだ。
 小学校は卒業できる。
 中学校は卒業できる。
 高校は卒業できる。
 大学は卒業できる。
 しかし、社会には卒業がないのだ──まあ強いて言うなら失業はあるけれど、それは同列に並べられるようなものではない。
 卒業がない。
 社会には卒業がない。
 それは──将来がないのと同じである。
 ここからは抜けられない。

西尾維新.不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界(講談社ノベルス)

ねこです。

そつぎょう して しゃかい に くみこまれると その はぐるま は とまれません。
それは もう ハムスター の まわしぐるま の ように ぐるぐるぐるぐる。
なかには するっと ぬけだして じぶんさがし の たび というか
ほうろう の たび というか じゆうきまま な せいかつ おくったりするひと も います。

ネコ の せかい は しゃかい とか かんけいなく おなじ まいにち が つづきます。
そもそも がっこうとか ないので そつぎょう も ありません。
がっこう ないので とうぜん しけん も なんにも ないです。

あれ?ネコ の せかい って ようかい の せかい と かわらない きが してきました。
ちょっと ようかいポスト に おてがみ だしてきます。

きみとぼくが壊した世界

作家になるためのもっとも簡単な方法は、人間をやめることだ

「様刻くん」
 ボストンバッグの中を探って、病院坂は、一冊の本を取り出した。それは日本語に訳された、ガードル・ライアス氏の著作である。
「作家になるには、どうすればいいと思う?」
「……なんだ?アメリカ行きを諦めて、小説家を志望することにしたのか?」
「一般論だよ」
「さあ──新人賞にでも応募すればいいんじゃないかな。あるいはコネで、出版社との仲を仲介してもらうとか……自費出版って手もあるよな」
「こんな言葉がある。『作家になるためのもっとも簡単な方法は、人間をやめることだ』──よく言ったものだよね」
「誰が言ったんだ?」

西尾維新.きみとぼくが壊した世界(講談社ノベルス)

ねこです。

さっか に なるには にんげん やめるのが ちかみち。
にんげん やめて なに に なるのが いいのかな?

いろいろ かんがえた けっか わかりました!
ネコ に なるのが いちばん です。
わがはい は ねこ で ある とか ルドルフ と イッパイアッテナ とか
ネコ の ちょさく は めいさく ぞろい。

まって
にんげん やめるのは いいけど
ネコ に なる ほうほう かんがえないと。
うっかり ウミネコ に なったら こまります。
にんげん から ネコ に なる ほうほう の ほん が でる まで
にんげん やめるの ちょっと まったほう が よいです。

不気味で素朴な囲われた世界

ドラムってステージの上でひとりだけ座ってて、楽そうじゃん

「弔士くんギタリストになりなよ!お姉ちゃんはドラミストになるからさ!」
「…………」
 リボンつきの黄色くて優秀な、メロンパン好きの猫型妹ロボットの熱狂的なファンになるという意味だろうか?
 そんなわけがない。
「こぐ姉、それをいうならドラマーです」
「え?ああそうだっけ。しまったしまった、英国訛りが出ちゃったよ」
 小学生の頃イギリスに留学していた帰国子女という脳内設定を持つ姉である。弟のぼくはそれが噓だと知っている。
「そんなふざけたことを言ってないで。間違ったんだから、ちゃんと謝ってください」
 正式な謝罪を要求した。
「え……、あ、ごめんなさい……ドラマーをドラミストなんて言ってごめんなさい……ていうか英国にごめんなさい……」
 戸惑いながらも、国レベルで謝るこぐ姉。
 姉でなければ萌えているところだった。
「許してあげましょう」
 英国にかわって許してあげる、寛大なぼくだった。
「そうだよね。ドラミストだったら、『すごい霧』みたいな意味になっちゃうよね。あ、でもそれってロンドンっぽい?」
「ですから『どら』などという方言はありません」
「ふうん」
「でも、こぐ姉、ドラムなんて叩けるんですか?」
「ううん?叩けないよ?でもほら、ドラムってステージの上でひとりだけ座ってて、楽そうじゃん」
「………………っ!」
 衝撃の理由だった。
 そんな思想を持つ人間とバンドは組みたくない。

西尾維新.不気味で素朴な囲われた世界(講談社ノベルス)

ねこです。

こども の ころ キーパー とキャッチャー は ふとってる ひと の ていいち でした。
キーパー は はしりまわらないし キャッチャー は すわって いるし
なんとなく イメージ で きめられてたのかも。

そして ドラム も ふとってる ひと の イメージ が ありました。
いや それは「ゆれて ゆれて」の ひと の イメージ。
あと ドラム の ひと は ランニングシャツ きている イメージ も ありました。
これは きっと「きょう じんるい が はじめて もくせい に ついた」ひと の イメージ。
ほかにも ドラム の ひと は「かんじんなとき に いない」イメージもあります。
たぶん「このひと が ドラム」の ひと の イメージ。
ねこ なにか いろいろ かんちがい してるかも。

しょーじき さっき あげた ひとたち みても やっぱり ドラム たたける ひと かっこいい。
ねこ も ちょうせん したい けど
ドラム は たくさん たいこ ついてて ネコのて も かりたいくらい いそがしい。
ちょっと ねこ には むりっぽい。
しかたないので ねこ は ドラ たたく くらい に しておきます。
ほら ドラネコ って いいますし。