ワンクリ」カテゴリーアーカイブ

夏美のホタル

人間ってのは、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こすんだって

「月が目の錯覚で大きく見えるってことを教えてくれたときにさ──」
「うん……」
「地蔵さん、すごくいいことを言ってくれたんだよ」
「え、地蔵さん、なんて?」
「人間ってのは、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こすんだって。だから、自分と他人をあまり比べない方がいいって」
 夏美は前を向いたまま、静かに月を見詰めていた。
 ぼくは勝手にしゃべり続けた。
「他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃうんだってさ。俺さ、それって、すごくわかる気がするんだよな」

森沢明夫.夏美のホタル(角川文庫)

ねこです。

となり の しばふ は あおい なんて よく いわれます。
となり の しばふ を みなければ き に ならなかった のに
にんげん って いろいろ くらべたがり。
とくに じぶん が もってない もの だと よけい に め が いく。
こういうのは ないものねだり って いう らしい。

あれ?ないものねだり って ことば みたら
なぜだか チャーハン が たべたく なって きたよ?
れいとうこ の なか には れいとうパスタ は あるけど
れいとうチャーハン は ない。
チャーハンたべたい!チャーハンたべたい!
あー ねこ も ないものねだり しちゃってる。
はんせい します。

鎌倉うずまき案内所

なつかしいって感情は、年長者へのご褒美みたいなものだよね

「これ持ってたな、青いアイマック」
 半透明のそれは、モニターの後ろが丸みを帯びた三角のかたちに出っぱっていて、フルフェイスのヘルメットみたいだった。
「マックなんですか?なんか、すごい場所取りそうですね」
 僕が言うと、はははは、と折江さんは笑った。
「当時はオシャレだったんだよ、このフォルム。それまでは四角い箱型しかなかったから。そうそう、このころはなんでもスケルトンって、流行った、流行った」
 折江さんはしばらく目を細めて「最新型、登場」と見出しのついたマックを見つめていた。キーボードの縁やマウスも同じ色をしている。ブルーハワイのフラッペみたいな青。
「いいなぁ。なつかしいって感情は、年長者へのご褒美みたいなものだよね。時がたてばたつほど、美味くなる」
 折江さんがぽつんと言い、ふっと空気がゆるんだ。

青山美智子.鎌倉うずまき案内所(宝島社文庫)

ねこです。

あのころ だれしもが あこがれた iMac。
ボンダイブルー と いう なぞ の あおいろ が いんしょうてき。
ソーテック って いう メーカー からも e-one って いう
iMac みたいな そっくり さん とうじょう。
カオス な じだい でした。

そのご も 5しょく の iMac なんて のも とうじょう したり して
アップル ふっかつ の のろし なんて いわれてました。

なんというか あの ころ は とにもかくにも テレホーダイ だったので
ネット するのは 23じ から みたいな おやくそく も あり
くらい へや に ぼんやり うつる がめん と
あの スケルトン で あざやか な カラー が よく はえた もの でした。
スケルトン じゃ なくなった のも じょーじせつぞく が いっぱんてき に なってきた ころ で
やっぱり そういう いみ でも じだい だった の かも しれません。

とうじ の おねいさん は どこからか て に いれて きた
WindowsMe を うっかり インストール して めっちゃ ふあんてい。
ちょっと ゆだん すると ブルースクリーン が でてきて
こころ も ふあんてい パソコン も ふあんてい な センチメンタルブルー 。

ボンダイブルー に センチメンタルブルー。
ある いみ あお の じだい (どうもと つよし)を いきぬいた おねいさん。
ごほうび は ガリガリくん ソーダあじ です。

そして、バトンは渡された

別にと普通は、最悪の表現方法だな

「どうだった、新学期?」
 私がそうめんと卵焼きを食卓に運び終えると、森宮さんが聞いてきた。
「別に何もないけど」
「出た、別に。別にと普通は、最悪の表現方法だな」
 森宮さんは海苔やねぎをつゆが入った器に入れながら、不服そうな声を出した。
「森宮さん、なんか前もそんなこと言ってたね」
「うん。何もないことなんて絶対ないのにさ」
「森宮さんの会社はそんなに毎日出来事があるの?」
 私はお茶を淹れると、席に着いた。
「あるある。別に何もない会社なんて、倒産寸前じゃん。よし、できた。薬味をぎっしり入れて、初めてそうめんは夕飯に格上げだな」
 甘く炊いたしいたけにウズラ卵まで入れて、森宮さんはいただきますと手を合わせた。
「で、学校。休み明けだろ?なんかあった?ないわけないよな」

瀬尾まいこ.そして、バトンは渡された(文春文庫)

ねこです。

「べつに」と「だいじょーぶ」は ぜったい なにか ある とき の ことば って おねいさん いってた!
でも そういう ひと に かぎって ほんと の こと いってくれない。
しかも しつこく きく と おこりだす!
なんなのです。

そうやって なんとなく はなしづらくなって ぎくしゃく。
まったく もって よくない です。

ちなみに ほんとう に だいじょーぶ な とき は「ダージョーブイ!」っと
えがお で Vサイン する と いいらしいよ。
いま の わかい ひと には つうじない けど
40だい いこう の ひと には こうかてきめん。

ところで アーノルド・シュワルツェネッガー って
シュワルツェネッガー の ぶぶん もじに したとき
あってるか ちょっと ふあん に なるつぇねっがー?