投稿者「fujimineco」のアーカイブ

ある日、アヒルバス

運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ

「あれ、やったことある?」
「おみくじ?あるよ」
 亜紀は興味深げに近づき、
「やり方、教えて」と言った。
 秀子は棚の手前にお金を入れる穴を指し示した。
「ここに百円いれて、そこの長細い箱から棒を一本とりだすのよ。そのさきっちょに数字があるから、その数字とおんなし番号の引き出しを開くの。するとそこにおみくじが」
 うなずきながら亜紀は箱から棒をひかず、棚の引き出しに手をかけていた。
「なにやってんのよ」
 秀子が注意しても亜紀はどこ吹く風だ。かまわずつぎつぎ引き出しを開いていく。
「これが吉で、これが中吉、で、こっちが小吉。これまた吉と。これは、おっと。大吉じゃん。これいただき」
「そんなことしちゃいけないよ。罰あたるって」
「平気平気。あんたもいる?大吉?」
いらない、と答える前に、亜紀はいくつか引き出しを開き、大吉を見つけると、
「ほい」と秀子に押しつけた。
「いいって」
「だめだめ。持ってなよ。いいかい、デコ」亜紀は大吉の紙をひらひらさせながら言った。「運命は自分の力で切り拓いていかなきゃ」

山本幸久.ある日、アヒルバス(実業之日本社文庫)

ねこです。

おねいさん は はつもうで で おみくじ ひきます。

かわさきだいし の おみくじ は こうもく おおくて おとくです。
れんあい や こんいん と いった おねいさん ちょーきょうみポイント から
しょくぎょう じゅうきょ まちびと うせもの などの ていばん
ぞうさく そしょう はしりびと といった ちょっと あまり みないものも。

しょうじき いうと そしょう の こうもく は ひつよう なければ
それに こしたこと ないのですが ちょっと きになってしまいます。

いや ちょっと そのまえ に はしりびと ってなによ?
ねこまっしぐらかん はんぱない。
きになったので ネットで しらべてみると
さってしまった ひと しっそうした ひと の ゆくえ の ことだそう。

はしりびと ぞくぞくとかへる

なんて かかれていたら さっていった ひと ぞくぞく もどってきそうで
それはそれで こわいです。
もしかして ゆうめいじん に なったり たからくじ あたっちゃったり するってこと?
なんか それだと あんまり うれしくないかもです。

52ヘルツのクジラたち

水の中で、相手の声が響いてくるってどんな感じなんだろうね。わたしはね、相手の思いに全身包まれるんじゃないかなって思うんだ

「これはね、クジラの歌声だよ」
 少年の眉が微かに持ち上がる。
「驚いたでしょう。クジラはね、海中で歌を歌うようにして仲間に呼びかけるんだって」
 ほう、と感嘆の息を吐いた少年が眼前の海に視線を投げる。わたしも同じように海を眺める。
「すごいよね。あんなに広大で深い海の中で、ちゃんと仲間に声が届くんだよ。きっと、会話だってできてる。この声の子は、なんて言ってるんだろうね」
 他愛ないことであればいいなあと思う。月がとても明るい夜だよ。こっちの海は綺麗で気持ちいいよ。きみに久しぶりに会いたいよ。そんな会話が海のどこかで交わされていたらいい。
「水の中で、相手の声が響いてくるってどんな感じなんだろうね。わたしはね、相手の思いに全身包まれるんじゃないかなって思うんだ」

町田そのこ.52ヘルツのクジラたち【特典付き】(中公文庫)

ねこです。

みず の なか で しゃべろうと すると ゴボゴボゴボって なって なに いってるか わかりません。
でも クジラ は ちゃんと こえ が とどくんだって。
すごいです。
およげる ネコとして ゆうめいな スナドリネコさん も みず の なか で
おはなし できるのかな?
クジラ と ネコ が おはなし してるところ ちょっと みてみたいです。

でも それを みるためには ねこ も みず の なか はいれるように ならないとです。
あとで おみず のむふり して ちょっと かお を つける れんしゅう から
はじめたい と おもいます。
めざせ 10びょう!


さいはての彼女

「ええ。けれど雨もいいものです」

 旅先で目にする美しい光景、新鮮な体験は、誰かと分かち合えたほうが、もっといい。
 自然と目を閉じる。雨に濡れた小鳥が森深い巣へ帰り着いたように、一瞬で眠りに落ちてしまいそうになる。
 バトラーがワインクーラーに冷えたオレッツァを持ってきた。磨き上げられたグラスに彩りの森が映りこむ。その中に、弾ける泡とともに澄んだ水が注ぎこまれる。
「あいにく、雨ですね」
 さきに語りかけたのは、私のほうだった。バトラーはにっこりと笑って、ボトルネックを白いリネンで拭き取り、静かにワインクーラーに戻しながら言った。
「ええ。けれど雨もいいものです」
 その言葉は、そのまま私の心のもやを洗い流す清らかな雨そのものになった。

原田マハ.さいはての彼女(角川文庫)

ねこです。

あめ の ひ は おでかけ できないので ちょっと ざんねんです。
そういう ひ は おねいさん も コーヒー いれて ほん を よみます。
あまおと が リラックスこうか を もたらし どくしょ に ぼっとう できます。
あんしんして どくしょ できるのは いえ の なかで ぬれず に よめるから。
にんげん は あめ の ひ も どくしょ するために いえ を たてたのでは?
ねこ の せつ ちょっと かのうせい ありそう。

ねこ も いえ の なか から まどごし に しゅんしゅん ふる あめ を じっと みます。
ノラネコ は あめ の ひ どうしているのかな?
どこか の のきした で あめ が やむのを まつのかな?
こうえん の アスレチック の した で まるまっているのかな?
そんなこと かんがえながら ねこ は まどから そと を みています。

でも いろいろ かんがえてると おなか すいてきちゃう。
ねこ も おやつタイム に します。