知念実希人」タグアーカイブ

レゾンデートル

俺はな、人生の意味はあの世に行く瞬間に決まると思うんだよ

『死』とは何なのだろう?数ヵ月避け続けてきた問いを正面から見据える。
 人はいつか死ぬ。雄貴は研修医時代に会った先輩医師を思い出していた。五十代前半のその医師は、膵臓癌を患っていた。化学治療を受けていたが、余命はわずかだと自覚していた。その医師が入院したとき、雄貴は研修医として指導医とともに担当になった。
 ある日、その医師は雄貴に言った。「なあ、人生の意味ってなんだと思う?」と。雄貴は言葉に詰まった。末期癌患者に人生観を語れるほど、まだ医師としての経験を積んでいなかった。強張った顔を見せる雄貴に、その医師は笑いかけ「そんな深刻な顔すんなよ」と背中をたたきながら言った。
「俺はな、人生の意味はあの世に行く瞬間に決まると思うんだよ」
 雄貴は言っている意味が分からず首をひねった。
「死ぬとき人間はな、いろんな顔をするんだよ。滅茶苦茶に苦しそうな顔するやつもいれば、泣いたような顔になるやつもいる、あと驚いたような顔もな。けどな、時々、笑顔で逝くやつがいるんだ。死ぬ瞬間で意識も失って、体は悲鳴上げてるのにだぜ。そういうやつらはな、みんながみんな、人生に満足してるんだよ。やるべきことはやった。思い残すことはないってな。そうやって周りの人に看取られていくんだ」

知念実希人.レゾンデートル(実業之日本社文庫)

ねこです。

ねこは まだ ねこせいに まんぞくしてません。
まだ やるべきことが のこってる きが します。
でも それが なんなのか よくわかんない。

もっと せみを つかまえることかも しれないし
キャベツと レタスを みわけることかも しれないし
M-1グランプリで ゆうしょうすることかも しれない。

しぬまでにやりたいことリストみたいなの Xとかで よくみますが
ああいうの つくったほうがいいのかな?
やりたいこと つぎから つぎへと ふえていって
けっきょく ぜんぶ やりきれず しんでしまう みらいが みえます。

リスト つくったら まいにち いそがしくなってしまいそうで
ねこの しんじょうと あわない きが するので
あんまり きにせず いまを いきることにします。