パズル

他人のことはパズルだと思うよりも、天気だと思ったほうがいい

 ぴったり当てはまることなんてあるわけないんだから、大体でいいんですよ、大体で。ちょっとくらい折り曲げたり、はみ出したりするくらいで付き合っていくのがいい。相手についても同じ。自分の理想にぴったり合致するような言動をしてくれる人なんていないんだから。ぴったりじゃなくても、大雑把にはめこんだらパズル完成、くらいに思っていたほうがいいかも。母はそう言ったらしい。母自身が人生の中で学んだことだったのかもしれない。
「他人のことはパズルだと思うよりも、天気だと思ったほうがいい、とも言っていた。頑張って、ピースを探すのがパズルだけど、天気は自分の力じゃどうにもできない。晴れるのも雨が降るのも操作はできないから、逆にこっちでそれにいかに合わせるか、いかに楽しむかしかないんだって」
 頑張ればパズルはどうにかなるかもしれない。一方で天気は努力ではどうにもならない。
「分かるような分からないような」
「僕もだ」

伊坂幸太郎.パズル

ねこです。

はれオトコとか はれオンナとか ナツオトコとか ナツオンナとか
よのなか いろいろ いますが さいきん あめに ふられっぱなしの おねいさん。
おねいさんが さんぽに でかけると ゲリラごううってやつが あらわれます。
これって やっぱり あめオンナってことですか?
ゆきオンナと どっちが つよいですか?
カミナリおやじとは ともだちですか?

こうやって ならべてみると あめオンナは ぜんぜん つよくなさそう。
もっと じゆうに あめを よべたなら こだいの にほんでは
かみさまに なれたかもと かんがえると じつは すごい のうりょく。
でも いなほを なぎたおすほどの ごううは ノーサンキューかも。
ざんねん きわまりない。

ちなみに おねいさんは とつぜんの ごううに おおよろこびする タイプ。
ちゅうとはんぱな あめが ふるくらいなら どしゃぶってほしい。
びしょぬれになった あげく かぜをひくまでが セット。
もうすこし オトナに なってほしいものです。

悪いものが、来ませんように

子育てって、もう一度人生を生き直す感じなの

 最近つくづく思うのよね、やっぱり子どもを産むことが女の一番の幸せなんだなって。
 鞠絵も子どもを産んで変わったよね。子育てって、もう一度人生を生き直す感じなの。自分も通った道を辿っているはずなのに、新しい発見がたくさんある。親になることで人間的に成長する部分って大きいよ。
 梨里と紗英の子が遊んでるところを見るのが私の夢なの。どう?そろそろ叶えてくれる気にならない?
 こんなにやりがいがある仕事は他にないんじゃないかと思うの。だって母親っていう存在には代わりがいないでしょう。
 冗談や世間話に交ざりながらも事あるごとに重ねられてきた奈津子の言葉が、頭の中をぐるぐると回る。働いたこともないくせに、どの口が言うの、とかろうじて蔑むように思う。なのにそう思うそばから、虚しさがこみ上げてきてしまう。
 ──だって、わたしは、子どもがほしい。

芦沢央.悪いものが、来ませんように(角川文庫)

ねこです。

じぶんが なしえなかったことを こに たくす
みたいなのを よくみます。
ピアノを ならわせたり やきゅう やらせてみたり
よくわからない こどもの うちから おやの いこうに そって
きづけば いろいろなこと やってたり。
でも こどもは こども。
かならずしも おなじものを すきになるとは かぎらないのです。

おねいさんの きんじょの こに、かいがと、スイミングと、えいかいわを
ならっている こが いましたが、
とうの ほんにん どれも あまり きょうみが ないようで
どれも ちゅうとはんぱに なってました。

おやの こころ こしらず、この こころ おやしらず。

ねこは もし こどもが うまれたら
たいやききょうしつに かよわせて たいやきを じょうずに やけるように なってほしいです。
あ でも こどもが たいやき すきじゃなかったら たいへんです。
しっかり このみを きいてから たいやきにするか いまがわやきにするか かんがえます。

汚れた手をそこで拭かない

長く教師を続けるコツはね、仕事が途中だろうが何だろうが、時間になったら無理やり帰っちゃうことなのよ

「あら、千葉先生、まだいたの」
 真横から声がして、ハッと振り向くと、そこにいたのは図工担当の伊東だった。
 面倒見がよく、情に厚いベテランの伊東は、産休に入った同僚のフォローを買って出て、夏休み中も毎日のように出てきている。
「ダメよ、授業がない日くらい早く帰らないと」
「あの……教頭は」「教頭?もう帰ったけど」
 その言葉に、腹の底で何かが蠢く。後悔なのか安堵なのかは自分でもわからなかった。
「何か用があった?」
「いえ……」
「長く教師を続けるコツはね、仕事が途中だろうが何だろうが、時間になったら無理やり帰っちゃうことなのよ」
 別の教員が「伊東先生は本当にきっぱり切り上げるわよねえ」と笑い交じりに重ねた。

芦沢央.汚れた手をそこで拭かない(文春文庫)

ねこです。
おねいさんの こうこうじだいに じゅぎょうを ちゃんと やらない せんせいが いました。
ちゃんとやらないというのは てきとーに じゅぎょうを しているというわけではなく
50ふんの じゅぎょうじかんのうち 20ふんしか じゅぎょうを やらないのです。
「にんげんの しゅうちゅうりょくなんて 20ふんしか もたないんだ」
と よくいっていましたが いまにしておもうと せんせいの しゅうちゅうりょくが もたないだけでは?
という きも してきます。

そんなわけで のこりの 30ふんを じこがくしゅうにあてるもの、
ほかの きょうかの しゅくだいを はじめるもの、じゅくの べんきょうを するものなど
いるわけもなく、ほとんどの せいとが ねていました。
いや だって せんせいが「のこりの じかん しずかに ねてろ」って いうんだもの。
おねいさんも まじめな せいとだったので せんせいの ことばに したがって
ぐっすり ねていました。
あのとき せんせいは なにをしていたのか まったく おもいだせません。
そして チャイムと どうじに ゆめから さめて
じかんきっかりに ひきあげていく せんせいを みおくるのでした。

たしかに あらかじめ じゅぎょうを おわらせておくと チャイムがなったら そく じゅぎょうを おわれる。
いま おもうと ながく きょうしを つづける コツを じっせんしていたのかも。
はたらきかたかいかくを ひとあしさきに とりいれていた せんけんのめい。
さすがです。