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陽気なギャングが地球を回す

「僕が世界を閉じ込めているわけ。僕の部屋の壁が世界を囲んでいるんだよ。閉じ込められているのは、僕以外の全員で、外にいるのは僕だけってわけ」

 田中は足が悪い。右足が不自由で引き摺って歩くことしかできない。それが先天的なものなのか、子供の時に遭遇した何らかの事故が原因なのか、久遠は知らなかった。もしかしたら外出嫌いの説明のために、わざわざ自分ででっち上げただけ、という可能性もあった。「田中さんの両親は知ってるのかな?」
「父親はいない。母親だけだ」
「そうか。じゃあ、母親は知っているのかな」
「何を」
「田中さんがやってること」
「知っているだろう?一緒に暮らしているんだから」成瀬が言う。
 田中に会ったことは何度かあったが、マンションを訪れるのは初めてだった。成瀬は十回以上行っているはずだ。
 田中の母親は、保険の勧誘員をしていて日中は外に出ていることがほとんどらしい。田中自身は部屋に閉じこもって生活をしている。
「殻に閉じこもるのは良くない」と以前に成瀬が一度言ったことがあるらしいが、すると田中は、「違うんだよ」と怒ったという。「僕が世界を閉じ込めているわけ。僕の部屋の壁が世界を囲んでいるんだよ。閉じ込められているのは、僕以外の全員で、外にいるのは僕だけってわけ」
 そういう屁理屈にもならない話を偉そうに喋り、人を煙に巻いてしまうところは、響野さんにも通じるところがあるな、と久遠は思う。

伊坂幸太郎.陽気なギャングが地球を回す(祥伝社文庫)

ねこです。

スノードーム は まさに とじこめられた せかい。
いちばめん を きりとって ゆき の まう すがた を いつでも みられるのは ステキ です。
そのなかでも エッフェルとう の スノードーム は かくべつ です。
スノードーム の なか の スノードーム。まさに おうじゃ の ふうかく です。
おねいさん も うっとりさん です。

ねこ は こじんてき に みなとみらい の スノードーム が ほしいです。
ランドマークタワー や クイーンズタワー や コスモクロック や あかレンガそうこ の
たちならぶ なかでの ゆき の まう すがた は よいものです。
ヨコハマラブ な おねいさん も きっと き に いる はず!

こんど ヨコハマ に いったとき は ぜひとも ゲット したいものです。

オーデュボンの祈り

「それでも、話は聞いてるって」

 僕たち二人が言い合う形になると、少年は興味を失ったように背を向けて、自分が立てたばかりのカカシに向かい合った。
「ゆーお」と彼は言った。それから何度か、それを繰り返した。
 彼は、優午を作りたがっているのだろう。単なる慰めで、模造品を作ろうとしているのではなくて、本当に優午に帰ってきてもらいたいのだろう。地面には、優午の優午的な成分が埋まっていて、カカシを立てればそこに染み上がってくるのではないか、と期待していたのかもしれない。
 僕と日比野はしばらく、なすすべもなく、かける言葉もなく、立っていた。
 夕日が沈む速度は、急激に速くなる。あたりが暗くなりはじめ、夜の鼻息すら聞こえてきそうだった。しばらくして日比野が、優午の名前を呼びつづける少年の肩を叩いた。
「きっと、人と話すのが面倒臭くなっちまったんだ」
 少年は振り向いた。泣いているわけでもない。強い意志を持った顔をしていた。日比野の目を正面から見上げる。
「あんまり呼ぶと、さすがの優午もうるさがるぜ」日比野はまた、少年を叩いた。「それでも、話は聞いてるって」
 少年は、じっと日比野を見つめていた。それから、ゆっくりと深くうなずいた。

伊坂幸太郎.オーデュボンの祈り(新潮文庫)

ねこです。

こどもと いうのは いつの じだいも かわいいものです。

かくいう おねいさん も こどものころ ほしがき を さんこう に、
あじ の なくなった ガム を てんぴぼし に すれば あじ が ふっかつ するかもしれない!
とばかりに きんじょ の ゆうしてっせん の トゲ に さして よくあさ を まちました。

とうぜん の ごとく あじ が もどるはずも なく、おねいさん は あじ の しない ガム を
わびしく かみしめたのでした。
そんな おねいさん だから しょうねん の きもち は いたいほど よく わかります。
おおきく なっても じゅんしん な こころ は もっていたい ものです。