投稿者「fujimineco」のアーカイブ

猫を処方いたします。

強いボスは、顔がデカい。

「君の悩みはどっちの派閥に入るかやったね」
「はい、そうです!」
 青葉は子猫を大事そうに抱いたまま元気よく答えた。医者はうんうんと頷いた。
「簡単です。ボスが強い方の派閥に入ったらええんです。強いボスは、顔がデカい。顔がデカくてエラが張ってるほうについたらええんです」
「エラ?」青葉は眉を寄せる。「エラ?」
「そう。顔の真ん中に目と鼻と口がギュッと詰まってる感じです。どっちのボスが顔デカですか?」「ぷっ……。ええと、レナちゃんのほうが顔がデカいです」
「それやったらレナちゃんについたらええです。さて、副反応もないようやし、もう帰ってもらってもいいでしょ。猫はしまっときましょうか」
医者が手を伸ばした。青葉が渋々といったふうに、猫を渡した。

石田祥.猫を処方いたします。(PHP文芸文庫)

ねこです。

つよい ボスは かおが でかい。
なんとなく わかるきが します。
じだいげきでも あくだいかんとか かおが でかいほど あくだいかんっぽい。
ちいきの ボスネコも かおが でかいほど ボスネコかん。
しっくりきます。

かいしゃの ボスといえば おつぼねさま。
おつぼねさまも やっぱり かおが でかいほうが しっくりきます。
おねいさんが こがお めざしているのも もしかしたら ボスと まちがわれないため?
すこしずつ おおきくなる かおを どうにか こうにか ちいさくする どりょく……
つまりは おねいさんは ボスに なりかけている……?

そうぞうしたら こわくなってきました。
と、とりあえず ねこは おねいさんに ついていきます!

希望が死んだ夜に

一人で家にいるときよりも、賑やかな教室にいる方がさみしく感じるのはなんでだろう。

 八月二十六日。
 夏休みは昨日で終わり。今日から学校だ。
 今年は観測史上最も暑い夏になるかもしれないらしく、朝から殺人的な太陽光線が降り注いでいた。通学路のアスファルトも、電柱も、道路標識も、目に映るありとあらゆる物の色が鮮やかになっている。
 それらとは正反対に、あたしの心は暗く沈んでいた。
 今日からまた、住む世界が違う人たちに囲まれながら、ほとんど誰とも口をきかない毎日が始まるのか。高校に行かなくちゃいけないから我慢するけれど、一人で家にいるときよりも、賑やかな教室にいる方がさみしく感じるのはなんでだろう。

天祢涼.希望が死んだ夜に(文春文庫)

ねこです。

なつやすみ おわっちゃいました。
ミンミンミンより ツクツクボーシより カナカナカナ……のほうが
なんとなく さみしくなるのは なぜでしょう?
ねこも みょんみょんみょんと ないたほうが いいきが してきます。

そういえば むかし こんな もんだいが ありました。

もんだい
まちの ひとごみ かたが ぶつかって ひとりぼっち
はてない そうげん かぜが ビュビュンと ひとりぼっち
なきたくなるばしょは どっち?

こたえ
2つ まるを つけて ちょっぴり オトナさ。

ずるいです。まわたりさん。
でも オトナっていうのは いつも ずるいもの。
こどもには「はやく ねなさい」っていうけど
オトナは よふかししています。
ずるいです。

ねこも ここぞというときは 2つ まるを つけて
ちょっぴり オトナを きどりたいです。

ただいま神様当番

私、最近思うんだよね。怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。それを勇気って言うんだと思う

 家を出てパン屋さんの角を曲がったら、その隣にあるアパートから女の人が出てきた。バス停でいつも会う、あの素敵なお姉さんだった。このアパートに住んでるんだ。
 お姉さんはわたしと顔を合わせると、やわらかく笑ってくれた。嬉しくなって、わたしは思わず「おはようございます」と声を上げる。
「おはよう。いつもひとりで遠くまで通ってて、えらいね」
 歩きながら話しかけてくれたので、自然に並んで一緒にバス停に向かうかたちになった。軽い雑談のあと、わたしは告白するみたいにお姉さんに想いを伝えた。
「お姉さんがおじさんに席ゆずらせたの、見ました。怖いもの知らずで強くて、カッコいいって思いました」
「いや、あれは」
 お姉さんはなぜだか真っ赤になって苦笑いする。そしてちょっと道の先を見ながら、ゆっくり言った。
「怖いもの知らずって、そんなに強くないよ」
「………え?」
「私、最近思うんだよね。怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。それを勇気って言うんだと思う」

青山美智子.ただいま神様当番.宝島社

ねこです。

つゆというものの れんじつの あつさに
「いま なつ だっけ?つゆ だっけ?」
って なりながら よくわからないうちに つゆ あけがち。

そんなこんなで むぎちゃの おいしい きせつですが
おねいさんが こどものころ がぶがぶ むぎちゃを のんでいると
いつのまにか むぎちゃ なくなってて
「さいごに のんだひとが むぎちゃとうばん!」
って いわれたはずなのに いつも からの むぎちゃボトルが はいっています。
せめられると「いやいや すこし のこってるし!」みたいな わるあがき しがち。
むぎちゃなんて すぐつくれるのに こどもの よくわからない いじってやつです。

ほんとうは めんどくさいのに むぎちゃ つくるひとは なんばいも えらい。
ねこは めんつゆと むぎちゃの くべつが つかないので つくってあげられません。
ねこも むぎちゃ つくって えらくなりたいです。