ひと手間かける。仕事ってやつだな。
〝日本一の寿司屋〟は、薄野の南端の雑居ビルの四階にあった。清潔な白木の付け台の向こうで、実直そうな初老の主が、せっせと小魚の骨を抜いている。
青木俊.潔白(幻冬舎文庫)
「親爺、それは何だい?」
西尾が横柄に訊く。
「鰯の昆布締めで。こいつをさっと炙りましてね」
「旨そうだ、それをくれ」
「へい」
「ふふふ。刺身を酢飯に載っけりゃ寿司ってもんじゃない。ひと手間かける。仕事ってやつだな。それが寿司だ」
ねこです。
ひとてま くわえると おいしくなる ふしぎ な まほう。
おねいさん は さいご の さいご に ひとてま かけます。
ぎゅうどんには しちみ を ざっざ と かけ
やきそばには くろこしょう を ごりごり かけ
はかたラーメンには しろごま を しょしょ と かけます。
あーなんてこと。
ひとてまって そういうことじゃ ないらしい。
でも おいしければ オッケーです。