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WILL

逃げない船員は、きっと泳ぎが達者なやつですから

「社長は船長みたいなものです。船の行く先を決めなくちゃならない。うちの船はその方向へはいかない。そう決めたのなら、どうあってもそれを守ってもらわなければ、先々が立ち行きません。あっちにふらふら、こっちにふらふらじゃ、どうにもね。乗っている私たちも据わりが悪い。職業倫理。社長がそう決めたのなら、それでいいじゃないですか」
「そんなかっこをつけているうちに、船が沈んじまうかもしれない」
「いいんですよ。そういうときは沈めれば」
「船員たちはどうする?」
「船員たちは逃げ出しますよ。ねずみと一緒にすたこらとね。だから、船長は心置きなく、船と一緒に沈めばいい」
「逃げない船員だっているかもしれない」と私は竹井に言った。
「大丈夫ですよ」と竹井は笑いもせずに応じた。「逃げない船員は、きっと泳ぎが達者なやつですから」

本多孝好.WILLMOMENT(集英社文庫)

ねこです。

ねこ は およげないので うみ や プールとは むえん ですが
おねいさん は ながれるプール で ぷかぷか ながされるの すき なんだって。
サマーランド で えんえん ぷかぷか ぐーるぐる。

そして プール で ひえた からだ で たべる おでん は さいこうらしいです。
おねいさん の まわりでも プール に おでんは ていばんって ききました。
ほんとかな?

ネコ の しゅるい に よっては およぐ ネコ も いるみたい。
とくに スナドリネコさん は およぐ の めっちゃ じょうず。
ねこ も およぎかた ならいたいくらい。

もしかして スナドリネコさん も およいだあと おでん たべたくなるのかな?
いっしょ に およいで およぎつかれたら おでん おごって あげたいです。
ねこ は ちくわ たべます。

FINE DAYS

「だから僕らは祈るんです。たった一瞬の光に向けて。その全存在をかけて輝いているたった一瞬の光に向けて」

「流れ星、知ってますか?」
 不意に結城が言った。
「流れ星くらい知ってる」と私は言った。
「流れ星って塵なんです。地球の重力に引かれた小さな塵が地球に向かって落ちてきて、大気圏で摩擦熱で高温になって発光する。それが流れ星なんです」
「雑学講座か。ためになるよ」
 茶化した私に取り合わず、結城は静かに続けた。
「ものすごく広い宇宙の中の取るに足りないような僕らより小さな塵が、たった一度きり、その存在を僕らに示すんです。自分の体を焼き尽くすことで」
 広大な時空間。その一点を占めることしか許されない小さなものたち。その一点を輝かせるために命を差し出せと言われたら、私はどうするだろう?
「切ないな」と私は言った。
「ええ。そして美しい」と結城は言った。「だから僕らは祈るんです。たった一瞬の光に向けて。その全存在をかけて輝いているたった一瞬の光に向けて」

本多孝好.FINEDAYS(角川文庫)

ねこです。

ながれぼし に ねがいごと を すると かなうって ききました。
なぜ かなうのか くわしいことは わからないのですが これは すごいことです。
なんにん の ひと が ねがいごと してるのか わかりませんが
いっしゅん で たくさん の ひと の ねがい を きくことが できる ながれぼし は
しょうとくたいし より えらい き が してきます。

そういえば サンタクロース も せかいじゅう の こどもたち に いちや に して プレゼント を くばるので すごい です。
おてがみ を かいたり おとうさん や おかあさん に サンタさん に ほしいもの を いうだけ で とどけてくれます。
じつは ながれぼし の しょうたい は サンタクロース なのかも。
そう かんがえたら そう と しか おもえなくなってきました。
ねこ は いつも サンタクロース が クリスマス いがい に なに を してるか き に なってたのですよ。

ばばん!サンタクロース の ふくぎょう は ながれぼし でした!(かくしん)
これで かいけつ です。フフフン。

MOMENT

今の十秒間、君は生きていた。けれど、いつからか、その十秒間、君は死に近づいたと感じるようになる。

「死ぬって」と僕は言った。「どんな感じでしょうね」
 五十嵐さんが僕を振り返り、微笑んだ。
「目をつぶってごらん」
「はい?」
「目」
 五十嵐さんは腕を伸ばし、手を横にして僕の両目を覆った。僕は目をつぶった。何かするのかとも思ったが、五十嵐さんの手は僕の目を覆ったきり動かなかった。どこかで人の歩く音が聞こえた。誰かが喋る声も聞こえた。アナウンスで麻酔科医が呼び出されていた。ストレッチャーを押す音だろうか。金属が擦れ合う音も聞こえた。やがて五十嵐さんの手が離れ、僕は目を開けた。
「どう?」と五十嵐さんは言った。
「どうって言われても」
「今の十秒間、君は生きていた。けれど、いつからか、その十秒間、君は死に近づいたと感じるようになる。そうなったら、もう誰にも死は止められない。君を搦め捕り、その世界に引きずり込むまでね」

本多孝好.MOMENT(集英社文庫)

ねこです。

いきる と いうことは つねに ちゃくじつに いっぽいっぽ シ に ちかづいて いるんだそうです。
こども の ころ シ なんて ジサツ か こうつうじこにでも あわないかぎり そうぞう つかなかった おねいさん も
さいきん は びょうき とか たいちょう とか どろどろち とか
すごく かんがえてます。
とし を とれば とるほど だれか が しぬので
30さいにして ちゅうがくじだい の おなじ がくねん ぜんいん が
そろわないってことも あるかも しれません。

ネコ の せかい は わりと アバウトなので しんでも そのまま 100まんかい いきちゃう ネコ なんてのも います。
いちいち かぞえてられるかって かんじ ですけど
ネコどうし よーく みると あたま の うえ に すうじ が くるくる と まわってたりします。
ちなみに ねこ の あたま の うえには 3 という すうじ が くるくる まわっているみたい。

このまえ おねいさん に「ぜんせのこと おぼえてないの?」って きかれました。

「いえ しらないの。たぶん ねこ は 3ひきめだと おもうから」

って こたえたら がっかり されました。
ほんとのことなのに!