ワンクリ」カテゴリーアーカイブ

ラットマン

一生懸命に真似をすれば、その人の本当にやりたかったことがわかる

 ――この人が、この人の真似して描いたの?――
 交互に指さしながら、姫川は訊いた。父は静かに首を横に振り、かさついた薄い唇を動かした。
 ――模写だ――
 父が何を言ったのか、姫川にはわからなかった。一瞬、また父が病気のせいで意味のわからない言葉を発したのかと思った。しかしすぐに、自分が「モシャ」というその単語を知らないだけなのだと気づいた。
 ――ただ真似したんじゃない――
 父は言葉を添えた。
 ――一生懸命に真似したんだ――
 姫川は黙って父の顔を眺めていた。父の言っていることがよく理解できないでいたせいもあるが、久方ぶりに父が自分に話をしてくれているのが嬉しかったのだ。
 ――一生懸命に真似をすれば、その人の本当にやりたかったことがわかる――

道尾秀介.ラットマン(光文社文庫)

ねこです。

ドラゴンクエストの じゅもん「モシャス」。
みかたの メンバーに へんしんできる すごい じゅもん。
モシャスの ゆらい、「もしゃ」から きてるの わかりやすくて よいです。

もしゃってことは いっしょうけんめい まねしてるってこと。
マネマネって モンスターも つかってきますが、
マネマネも いっしょうけんめい まねしてるって かんがえると なんか かわいい。

ねこは モシャス つかえないけど
おねいさんが せき はずしてるあいだに zoomかいぎ さんかしたり
スマホ ポチポチしたり
ピンチのときに おねいさんの かわりが できるよう じゅんび しています。

まんいんでんしゃに のる れんしゅうして いつか しゅっきんするのが ゆめです。

ブロードキャスト

だけど、飛ぼうとしている側は、本当にできるって信じてるんだ。周りを気にしちゃ何もできない。

「ドラマやアニメを好きな人はたくさんいて、俳優や声優や脚本家とか、それらを制作している人にもファンはたくさんいるのに、制作者を目指している人はオタク扱いされるのって、どうしてだろうね?」
 委員長の問いかけに、入学直後の僕なら、わからないと首を横に振ったはずだ。そもそも、僕もオタク扱いする側だった。だけど、ドラマ作りに、真剣に二作品も関わった今なら、別の答え方ができそうな気がする。上手く言えるかどうかは自信がないけれど。
「実際、気持ち悪いんだと思う。ドラマやアニメは好きだけど、自分とは別世界の人たちが作っている、と切り離して考えている人が大半なんじゃないかな。そういう人たちが、身近なところで、特に、自分より劣っていると見下しているヤツが、そこに向かおうとしているのを見ると、無謀なことをしているな、ってあきれてもおかしくないよ。傘をさして屋上から飛び降りようとしているヤツを、眺めているような、感覚かな?」
 僕のぎこちない説明に「なるほどね」と委員長は真面目な顔で頷いてくれている。隣にいる、堀江くんも。僕は続けた。
「だけど、飛ぼうとしている側は、本当にできるって信じてるんだ。周りを気にしちゃ何もできない。憧れの世界に行けるなら、オタクで上等!っていうふうに」

湊かなえ.ブロードキャスト(角川文庫)

ねこです。

よく Xや YouTubeの ショートどうがで
ネコが とびうつるのに しっぱいする どうがが ながれてきます。
あきらかに だめなのもあれば なんで そのきょりで とどかない?って
びっくり するものも。

でも あのネコだって とべると しんじて とんでます。
たとえ そのあとに しっぱいが まっていても、
とばないことには たなの うえには たどりつけないのです。

ねこは いつでも チャレンジャー。
しっぱいなんて きに しません。

あこがれの たなの うえに いけるなら
ネコじょうとう!って きもちです。
もしかしたら ネコって そういう いきものなのかも?

黒牢城

弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう

「摂州様。牢の中からひとを殺すというのは、存外、難しいことではござらぬな」
 村重は、刀の柄に手を置いたままである。
「殺したのは儂じゃ。おぬしは儂を道具にしたと言うか」
 官兵衛は答えなかった。
 村重は暫時、迷った。村重は屈強の武者で、智謀の士でもある。だがかれは、おのれが摂津国主にまで上ったのは、誰よりも勘がよかったからだと考えている。弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう。その勘はいま、ここですぐに官兵衛を殺せと告げている。

米澤穂信.黒牢城(角川文庫)

ねこです。

つめと ねこパンチが おもての どうぐなら
うらの どうぐは きゅうかくと きびんさです。
きほんてきに おもての どうぐも ひけびらかしたり しませんが
うらの どうぐは だれにも ないしょです。

うらの どうぐ じつは べんりです。
するどい きゅうかくで おいしい においや あやしい においを かぎわけます。
とくに おいしい においは とくいぶんや!
そして おいしい においの ときは シュシュッと きびんさで ちかよります。
ねらった えものは にがさない しんしゅつきぼつの なんとやら です。
あやしい においの ときは はらりと ひるがえし
そのばから たちさります。
にげあしの はやいやつだぜって いわれること かずしれず。

うらの どうぐ けっこう だいじなので
これからも みがきつづけたいです。